Q13.基本方針において、中小小売商業高度化事業についてはどの様なことが定められているのですか。
A13  中小小売商業高度化事業について、基本方針においては、「一 基本計画に記載する必要のある事項に関する指針」で商業の活性化のための事業に含まれるものとして記載されており、特に記載事項に関しては、「中小小売商業高度化事業については、基本計画に続いて中小小売商業高度化事業構想が作成されることを念頭に置いて、当該事業の趣旨及びおおむねの実施区域を記 載することとする。」となっています。また、「二 その他の事項」で、中心市街地の商業集積を一体として捉え、業種構成・店舗配置等のテナント配置、基盤整備及びソフト事業を総合的に推進し、中心市街地における商業集積の一体的かつ計画的な整備を図るものであるという本事業の趣旨や、各事業を実施する者の要件等事業の要件(政令第9条)が定められています。
 さらに、「二 その他の事業」では、留意事項として以下のような点についても定められています。
(中小小売商業高度化事業構想について)
①おおよそ5年から10年程度の期間を想定すべきであること
②中心市街地に存する商店街等の商業集積の大半を対象とすること
③当該商業集積全体における業種構成や店舗配置の計画性の確保・向上を図ること
④それぞれの事業が全体の構想の一環として進められること
(推進体制について)
①市町村において関係部局間で十分な連絡調整を行うこと
②商店街関係者、域内の大手小売業者を含めた幅広い関係事業者間のコンセンサスの形成に努めること
③地域住民の代表の参画を得ること
(TMOの組織について)
①市町村、商店街関係者その他の関係事業者、商工会・商工会議所等の経済団体、住民等幅広い関係者の代表が運営・事業方針の決定等に当たること
②事業の企画・運営等については、専門性を有する者を事務局として招くか又は内部に育成し作業に当たらせること


(3)基本計画(法第6条)

Q14.基本計画にはどのような事項を記載しなければなりませんか。
また、中小小売商業高度化事業の記載にあたって留意しなければならない点は何ですか。
A14  基本計画には、法律の規定や基本方針に基づいて、市町村が必要な項目を記載することになります。記載する項目は、法律及び基本方針において定められています。その概要は以下のとおりです。
(1) 中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する基本的事項
(2) 中心市街地の位置及び区域
(3) 中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進
の目標
(4) 土地区画整理事業、市街地再開発事業、道路、公園、駐車場等の公共の用に供する施設の整備その他の市街地の整備改善のための事業に関する事項
(5) 商業等の活性化のための事業に関する事項
中心市街地において今後実施する予定である商業の活性化の事業及びこ れと併せて都市型新事業を実施する企業等の立地の促進のための事業の概 要(当該事業の種類、実施予定者、おおむねの位置又は区域とおおよその 実施時期等)を記載します。
ただし、中小小売商業高度化事業を記載するにあたっては、当該事業の対象とすべき商業の集積(おおむねの実施区域)及び当該事業の目標(当該事業の趣旨)を記載します。
(6) (4)及び(5)の事業の一体的推進のために必要な事項
(7) その他
なお、中小小売商業高度化事業の記載にあたっての留意点については基本方針一 4、二 2の1の1を参照。


Q15 基本計画はどのくらいの期間を想定して作成しますか。
A15  中心市街地の活性化のための基本計画は、中長期的なまちづくり全体の展望を踏まえ、十分な事業実施期間を確保しつつ作成すべきものです。
 したがって、市町村の作成する基本計画は、例えば、5年~10年程度の期間を想定したものとすることが適切と考えられます。
 なお、情勢の変化等により、基本計画を変更する必要が生じたような場合には、基本計画を変更することも可能です


Q16 基本計画に記載する事業は、どれくらいの熟度であることが必要ですか。
A16
 基本計画は、中長期的な展望に立って作成するものであることから、基本計画に記載する事業は、将来的に実施する予定のものも含めて記載することが可能です。したがって、基本計画作成時においては、その実施が必ずしも確実とは言えないような事業についても、その実施についてある程度のコンセンサスが形成されているなど、一定の方向が打ち出されているものであれば、前広に記載することができます。

Q17 既着手の事業が基本計画に含まれても良いのですか。また、市街地の整備改善事業 が既着手で、商業活性化事業が未着手の場合、基本計画の市街地の整備改善と商業等の活性化の一体的推進に関する要件は充足するのですか。
A17  すでに着手されている事業を基本計画に書き込むことは可能です。
 また、市街地の整備改善事業又は商業活性化事業のいずれかにすでに着手ている場合でも、これらの事業を基本計画に記載することにより、基本計画の市街地の整備改善と商業等の活性化の一体的推進に関する要件を充足させることが可能です。
 ただし、基本計画において「市街地の整備改善に関する事項」と「商業の活性化のための事業に関する事項」をともに記載することは法第6条に定められています。


Q18 一の中心市街地の中で全く時期を違えて取り組む事業があっても良いのですか。
A18  基本計画は、中長期的なまちづくり全体の展望を踏まえ、十分な事業実施期間を確保しつつ策定されるプランですので、当然、これに含まれる事業は同時期に実施されるものばかりではなく、異なった時期に実施される事業も多くあると考えられます。


Q19 特定の大型店の出店を制限するような基本計画を定めることはできますか。
A19  基本計画は、市町村が中心市街地の市街地の整備改善と商業等の活性化を一体的に推進することを目的として、中心市街地において行う基盤整備等の具体的な事業を記載するものです。
 基本計画で、特定の大型店の出店制限等の競争制限的な規制を定めることは想定されていません。 なお、中心市街地の活性化のため、中心市街地の特定の地域や郊外等の中心市街地外の開発制限を行うことは考えられますが、これは、別個の都市計画法体系等によって行われるべきものです。


Q20 基本計画を作る際、市町村当局は何に留意すべきですか。
A20
 市町村等が基本計画を作る場合、実施体制として商業部局と都市計画・土木部局及び企画部局等とが連携の取れる体制を確保することが必要です。  

 また、中心市街地の活性化を図るためには、市町村の行政担当部局間の連携のみならず、必要に応じ民間事業者も含めた連携を推進するための体制の整備、例えば、商工会又は商工会議所を始め、関係者のコンセンサス形成を円滑化するための協議会等を設置して幅広く検討していくのが適切と考えられます。


Q21 基本計画に中小小売商業高度化事業を記載する場合、市町村はどのような点に留意しなければいけませんか。
A21
 中小小売商業高度化事業の実施が見込まれる場合、市町村の基本計画の作成に続きTMO構想の作成・認定、TMO計画の作成、認定が必要となります。
 TMO構想を作成するためには、基本計画において、中小小売商業高度化  事業について、その長期的な見通しを踏まえ、中小小売商業高度化事業とその他の商業等の活性化に関する事業を明確に区別しながら、
①当該事業の対象とすべき商業集積(概ねの実施区域)、

②当該事業の目標(当該事業の趣旨)を記載しておくことが必要であることに留意すべきでしょう。



Q22 基本計画の作成にあたり、市町村は商工会、商工会議所の意見を聴かなければならないと定められていますが、商工会、商工会議所はどんな意見を言えるのですか。
A22
 中心市街地の商業活性化のための事業に関する事項については、本法の趣旨に則った意見を述べる限り、特に商工会、商工会議所の意見の内容に制約はありません。



Q23 市町村が作成する基本計画は議会の議決を経ることが必要ですか。
A23
 市町村が作成する基本計画は、本法において議会の議決を経ることを求められておりません。
 なお、基本計画が作成されたときは遅滞なくこれを公表することとなっています。公表の方法としては、公報に掲載する等の方法が考えられます。


Q24 基本計画の変更にあたっては、どのような点に留意する必要がありますか。
A24
 基本計画の変更は、作成した際と同様に商工会、商工会議所の意見を聴いた上で行います。主務大臣及び都道府県による承認等の手続きはなく、写しの送付で足りることとしています。なお基本計画が変更されたときは遅滞なくこれを公表することとなっています。公表の方法としては、公報に掲載する等の方法が考えられます。
 なお、中小小売商業高度化事業に関する変更については、TMO構想(中小小売商業高度化事業構想)・TMO計画(中小小売商業高度化事業計画)の変更を要する場合もあり得ますので、十分留意していただくとともに、事前に所管の通商産業局(沖縄については沖縄総合事務局。以下同じ。)にご相談ください。


Q25 基本計画の作成又は変更にあたって地元商業者や商店街は何をすれば良いのですか(どこにどのように働きかければよいのですか)。
A25
 基本計画の作成又は変更にあたっては、法第6条第5項の規定により、商業の活性化のための事業に関する事項については地元商工会又は商工会議所の意見を聴くこととされております。したがって地元商業者、商店街等の関係者の意見が重要な要因となります。
 中心市街地の商店街としても、商工会議所等からの意見照会を待つのみでなく、基本計画について様々な提言を行っていくとともに、なるべく多くの商工業関係者、地域住民等を合意形成に含めていくことが必要となります。具体的には、市町村や商工会議所等の担当部局に提案を持ち込んでいただくことになります。
また、具体的な提案を行うときは、できる限り多くの地域の商業者の方々の支持が得られていることが重要です。


Q26 基本計画を作成しようとする場合に、どこに相談すれば良いのですか。
A26
 関係省庁や都道府県は、基本計画に対して必要な助言をすることとなっています。また、基本計画をこれから作成しようとする市町村に対しては、国として相談に応じることとしています。
 こうした市町村からの相談等に対応するため、政府の統一窓口として中心市街地活性化推進室(03-3580-1471~1472)が開設されております。
 中小小売商業高度化事業を予定している場合にあっては、支援については最終的に通商産業局、都道府県との関係も生じてきますので所管の通商産業局、都道府県に事前の相談も必要かと思われます。


Q27 送付された基本計画はどう扱われるのですか。
A27
 基本計画に対する国や都道府県による承認は必要ありませんが、国に対して送付された基本計画の写しは、各省庁の支援対象事業の決定に際し、関係省庁で構成される中心市街地活性化関係省庁連絡協議会において協議されることになります。