メルマガへのご意見・ご感想はこちら→
このメールマガジンが正しく表示されない方は こちらからご覧ください。

 「あきんどPLAZA」の事務局です。今年度第11号のメルマガです。
 さて、クリスマスも終わり、いよいよ平成17年も年末を迎えました。ところでクリスマスの翌日である12月26日は、プロ野球誕生の日。1934(昭和9)年、アメリカのプロ野球との対戦のため、日本初のプロ野球チーム・大日本東京野球倶楽部(読売巨人軍の前身)が創立された日だそうです。その約1年後の1936(昭和11)年2月5日に、全日本職業野球連盟が結成され、7球団のプロ野球が誕生しました。2月5日はプロ野球の日とされています。
 今はサッカー人気に押されがちなプロ野球ですが、スター選手は高額の年俸を取り、出身地やチームの地元では憧れの存在であることに変わりはありません。そんな地元出身の選手やチームを応援する商店街もたくさんありますが、その一つにソフトバンク・ホークスを応援する福岡県の西新中央商店街があります。福岡Yahoo!japanドームと目と鼻の先ある商店街です。19日に西新中央商店街では、ホークスの杉内投手を年間MIPに選出し、同選手を人力車に乗せてパレードを行い、また、トークショーも行って大いに賑わいました。プロ野球選手も商店街の活性化に一役買っているわけです。
 こうした、地元出身選手や地元チーム応援することは、地域の一体感を高めるのに大変効果的ですね。
 それでは今回は以下のメニューでお届けいたします。

 また、このメルマガへのご意見・ご感想も下さいね。


欧米のまちづくり施策から示唆されること(第5回、最終回)
└ 千葉大学工学部都市環境システム学科 助教授 村木美貴 
小さなお店でもできるマーケティング・店づくり(第7回)
└ 株式会社キャラウィット 代表取締役 米澤実弥子 
<経済産業局レポート>
まちに活気を取り戻す、大門横丁(函館ひかりの屋台)事業について

└ 北海道経済産業局 流通産業課 商業振興室
<メルマガアンケート結果>
お知らせコーナー




  【第5回、最終回】

  千葉大学工学部都市環境システム学科
  助教授 村木美貴

まちの連携、人の連携-パートナーシップの必要性

 これまで欧米のまちづくり施策から学べることとして、英米の取り組みを中心に地域を見る指標、英国の組織、米国の仕組み、そして郊外型開発との関係について述べてきた。最終回となる今回は、まちづくりを進める組織、キーパーソン同士の連携の重要性について述べることする。

1.全国組織の必要性
 英米には、中心市街地活性化に取り組む組織をつなぐ団体が存在する。特に筆者が何度も訪れているイギリスのATCMに着目すれば、その役割は、タウンセンターへの支援であり、タウンセンターのニュース、情報の提供、また、タウンセンター・マネージャーの雇用情報の提供などを行っている。この文章だけを読み返せば、こうした仕組みは日本にもある。しかし、そこで提供される情報には、はじめてタウンセンター・マネージメントを実施する街に対して、たとえば、マネージャーの人選方法、マネージャーが行うべきこと、以前紹介した健康度チェックの方法など、必要とされる情報全てが含まれる。
 筆者は、上記の情報の提供と同時に、中心市街地で起きる各種問題の共有化が大切であると思う。日本でも、中心市街地活性化を目的としたセミナー等が複数開催されているが、イギリスでは、全国を対象とした会議の開催と、地区(地域)レベルでの定期的な会議の大きく分けて二つが実施されている。

2.地域別に開催されるマネージャー会議
 ここで、ロンドン地区のタウンセンター・マネージャー会議を例に説明しよう。ロンドンは、33の自治体で構成される717万都市である。筆者が参加したロンドンのマネージャー会議では、33自治体区域のタウンセンター・マネージャーが一同に会し、(1)講義の受講とディスカッション、(2)自分たちの抱える課題の共有化の二つが行われた。最初の講義では、招待された国会議員がタウンセンターについていかに考えているのかを話し、それに続き議論が行われた。興味深かったのは、続いて行われたマネージャー間の問題の共有化である。特定の課題(落書きで問題を抱える中心市街地)を一人のマネージャーが説明すると、その対処方法を他地区のマネージャーが披露する、全国の先進事例について説明する等が行われた。この会議の利点は(1)ロンドンという特定地域のマネージャー達が近隣地区での課題を共有、(2)互いのスキルの情報交換にあると思う。得られた情報が有益であれば、そのマネージャーと膝を突き合わせて話をする、先進事例を見学するなどの方法も可能である。イギリスで最初にTCMを行った都市のタウンセンター・マネージャーが、「タウンセンターで起きたことに対処するのに、正しいかどうか悩む場合、すぐに他のマネージャーと意見交換した」と述べていたように、テキストが存在しないタウンセンターの課題への対処方法は、マネージャー同士の連携によって創られてきたのである。つまり、イギリスでは、専門家の人的ネットワークがタウンセンターの活性化を支えているのであり、そして、このネットワークづくりを支えているのが全国組織なのである。

3. 日本のまちづくりに考えられること
 個人主義の両国では、「まちづくりは一人ではできないこと」と「少ない予算を最大限に活用する方法」を常に考えていると感じる。中心市街地の問題が深刻だからこそ、連携の必要性が高く認識され、それに熱心に取り組むマネージャーとその人を支える人々が存在するのである。
筆者自身も学生と街に入るようになったとき、何から取り組むかのアドバイスは、イギリスのタウンセンター・マネージャーからいただいた。そして、アドバイス通り、「タウンセンターの健康度チェック」から実施した。困った時の横のつながりは、海も越える。しかし、これは日本にも、地域レベルでは存在しているのだと思う。たとえば東京の渋谷では商業者が中心となり、行政、警察と連携し街の防犯パトロールや、2時間ごとの清掃活動を実施している。そして、そのネットワークは他の商業地との連携に発展している。こうした動きを見ながら、街のキーパーソン同士の連携は、イギリスと同じであり、これをいかにつないでいくのか、ネットワークの構築が次の日本のまちに必要になってくるのではないかと感じる。
「タウンセンター・マネージメントが面白いのは、日々何が起きるかわからないからだ。机の前に座っていないで、街に出よう。」マンスフィールドのマネージャーに言われた言葉を最後に、この連載を終わりにしたい。




  【第7回】

  株式会社キャラウィット代表取締役
  米澤実弥子

商品のバラエティ感を伝える

■セットで売る
 私がかつて画材店に勤めていた頃、よく、洋画材のセットを何通りか組みあげて店頭で販売していました。
 洋画を描く際には、様々な道具が必要です。油絵の具、オイル、筆、その他……慣れているお客様にとっては、これらを1つ1つ選んで買うのが楽しみなのですが、初めてのお客様にとっては「まず、何をそろえておく必要があるのか」がわかりません。そこで、お店サイドで基本道具を一通りそろえ、価格は割安に設定し、「初めての油絵 これだけでOK!セット ¥……」とセット販売します。
 セット販売するメリットは次のようなものです。

お客様のメリット… 商品を選ぶ手間が省ける、買いやすい、値段が割安である
お店のメリット… 動きの早い商品・遅い商品が一緒に売れる、回転率を高められる、客単価があがる、商品説明が省ける

 これとは別に、セットではなく同じ商品の個数を増やして安く売る場合があります。「1個100円→3個で280円」などの、いわゆる“まとめ売り”ですが、この場合「安さ」がかなり強調されます。
 セット売りは、種類がたくさん含まれていてバラエティ感があるのに加え、お客様が必要なものをお店でそろえてあげるというサービス精神が表れています。近年ブームの「そば打ち名人セット」も原材料と道具一式がそろっています。
 初心者・入門者を増やしたいお店、素材と道具を扱っているお店、プレゼント需要を増やしたいお店などに適しています。

 セットは売り場のコーナー演出に使っても良いし、2~3種類作って店頭でフェア展開しても良いでしょう。さきほどの洋画材の例でいえば、「はじめての油絵にチャレンジ!フェア」と銘打って店頭展開するのも効果的です。初めてのお客様が“つい”足を止め、店内→店奥まで入ってきてくれるキッカケとなります。

■バラエティ感を伝える
 「あれもこれもあります」という品揃えの豊富さがウリであれば、宣伝物も、品揃えのバラエティ感が伝わるようにつくりましょう。
 一般には「たくさんの商品を宣伝物に掲載する」ことです。大手ドラッグストアなどのチラシを見ると、文字は小さくても、とにかくたくさんのアイテムを掲載しています。この場合、個々の細かい内容がパッと見て伝わらなくても良く、たくさんあることがわかればよいのです。

 では、小さなお店はどのように伝えればよいでしょうか。
 大型店同様、アイテムを多く載せることに加えて、小さなお店らしい親切さや丁寧さが伝わるようイラストを活用しましょう。

 イラスト例は、ペットグッズショップのオープンチラシ例です。取扱商品は多岐にわたりますが、中でも主なものをイラストで列挙し、「いろいろ」を添えて“たくさんあるように”伝えています。イラストは女性好みのかわいらしいものとし、チラシを見る人の大半である女性主婦層のハートをくすぐります。動物が擬人化されているのもカワイイですね。

 イラストは、プロに依頼すれば大変キレイに描いてくれますが、モノによっては自分たちで描いても充分です。活字よりもイラストや写真のほうが、アイキャッチ効果が高くお客様の印象にのこります。

 私が知っている布団店や家具店、パン屋さんなどでは、スタッフが手書きで商品をイラスト化し、店置きチラシや折込チラシに使っています。商品のオススメポイントを自在に書き込んだり、店内POPにもアレンジできるので、慣れれば使い勝手が良いようです。パソコンのイラスト用ソフトが使える方は、ぜひお店の商品のイラスト化にもチャレンジしてみてください。

 お正月、少しでも休める事業者の方は、習字の「書き初め」もさることながら、イラストの「描きぞめ」はいかがでしょう。右脳が鍛えられるかもしれませんよ?!




まちに活気を取り戻す、大門横丁(函館ひかりの屋台)事業について
北海道経済産業局 流通産業課 商業振興室

■中心市街地の状況
 函館市は、横浜・長崎とともに我が国最初の国際貿易港として開港され、北海道開発の拠点、北洋漁業の基地として発展を遂げてきました。
 函館市の中心市街地は、JR函館駅をはじめとした広域交通機能や公共施設が集積し、高度な都市機能を有しています。
 特に小売業については、平成3年までは市内で最も多い売上金額を誇り、3つの核店舗を中心とした物販機能、道南随一の夜の飲食集積など物販・飲食共に市内最大の集積地として発展してきましたが、郊外への商業集積の進展や人口の移動流出などの影響により、物販・飲食などの商業機能の低下が顕著となっており、来街者の回遊性の低下や商店街の規模の縮小が進んでいます。
 しかし、近年、TMOによる空き店舗対策や、函館塩ラーメンサミットなどのイベント事業のほか、民間によるシネマコンプレックスやホテルの開業、市民が憩い楽しむイベントにも活用できる「はこだてグリーンプラザ」の整備、JR函館駅舎の建設および駅前広場の整備、さらには、公立はこだて未来大学の地域アンケート調査、商店街や町内会を巻き込んだ学生たちの手による大門祭の実施で若い世代との新たな連携が生まれるなど、商業者の間にも中心市街地活性化の気運が高まっています。

■大門横丁(函館ひかりの屋台)事業について
 この事業は、函館市のTMOである第三セクター(株)はこだてティーエムオーにより、TMO構想のテナントミックス事業の一環として実施されました。
 平成15年度に実施したコンセンサス形成事業において、来街者などの函館市民を中心とする人々に愛され支持される施設づくりを行い、結果として観光客をも集客できる魅力ある施設の整備を目指すこととなり、食のコミュニティ拠点としての「大門横丁(函館ひかりの屋台)」事業を計画し、国・北海道・函館市の支援を受け平成17年10月23日にオープンしました。
 大門横丁は、敷地面積約809m²の中に、屋台タイプ(約11m² 客席数8席 18店舗)、レストランタイプ(約27m² 客席数15席 8店舗)、合計26店舗の他、案内所、イベント広場、トイレがあり、函館ならではのハイカラでお洒落な雰囲気を持った屋台村となっています。
 ラーメン・アジア料理・寿司・ジンギスカン・飲茶・天ぷら・焼き鳥・鯨料理・イタリアン・海鮮料理など多種多様な店が出店、朝食・ランチから夜の飲食まで幅広く提供しています。また、それぞれの店が趣向を凝らした内外装を施しているため、訪れた人々は、食べる楽しみ、語らう楽しみの他、各店のそれぞれ異なった雰囲気を楽しむことができます。

 週末には大門横丁発のお帰りバスの運行や、ボージョレヌーボフェアやクリスマススタンプラリーなど時季毎のイベントを行い、施設の魅力向上を図っているほか、地元商店街の歳末大売り出しの抽選券を大門横丁でも配布するなど、商店街との連携を図ることにより、地域全体の集客力の向上を目指しています。
 オープン初日には15,000人の方々が来場するなど、開業以来たくさんの方々にご利用いただいており、順調な滑り出しとなっています。
 函館にお越しの際には、函館ならではの味と人情と雰囲気を味わえる大門横丁に、ぜひお立ち寄り下さい。
 →大門横丁公式サイト





 平成17年10月18日にメルマガ「あきんどPLAZA」号外版として実施させていただいた第1回アンケート調査結果の概要についてご報告します。回答数は155件でした。皆様、ご協力ありがとうございました。ご回答いただきました結果は、以下の通りです。

■前年同期と比較した現時点の景況感
 「悪くなった」64.5%、「良くなった」5.2%、「変わらない」30.3%となりました。DI値(「良くなった」割合から「悪くなった」割合を引いた数値)で見ると、▲59.3と依然として厳しいですが、前回調査時(平成17年2月)に比べ、6.6ポイント改善しました。


■今後のまちづくりの方向性(「コンパクトでにぎわいあふれるまちづくり」)への評価
 70%以上の商店街関係者が「この考え方に賛成である」としており、「賛成できない」という方は3.2%でありました。


 調査結果は、貴重な資料として活用させていただきます。
 また、数ヶ月に1度、同様なメルマガアンケートを実施する予定ですので、読者の皆様の更なるご協力(回答)をお願い申し上げます!




お知らせ

「中心市街地活性化シンポジウム」開催のご案内!
関東経済産業局では、平成18年2月16日(木)~2月17日(金)長野市において、「我が街のブランド戦略~街のイメージを活用した中心市街地活性化~」をテーマに中心市街地活性化シンポジウムを開催します。皆様の参加をお待ちしております。
日 時 平成18年2月16日(木)13:00~16:40
平成18年2月17日(金)10:15~現地解散
場 所 JA長野県ビルアクティホール、もんぜんぷら座
内 容 シンポジウム(基調講演、パネルディスカッション)
ミニまちづくり講座、現地視察
参加無料ですが、事前の申し込みをお願いします。
お申し込み、詳細はこちらをご覧ください。

【お問い合わせ先】
◆関東経済産業局 産業部 流通・サービス産業課 商業振興室
◆担当:清水、舟崎、高井
◆電話:048-600-0318


このメールマガジンの発行は全国商店街振興組合連合会(平成17年度中小企業庁委託調査事業)により実施するものです。このメールはメールマガジンに登録いただいた方、インターネット上にホームページを公開している商店街の方々に配信させていただいております。
◆メールマガジン配信解除・配信先の変更 http://www.akindoplaza.com/change.aspx
◆ご意見・ご感想 info_master@akindoplaza.com
◆このメールに関するお問い合わせ info_master@akindoplaza.com

【発行日】2005年12月26日
【発行】全国商店街振興組合連合会 企画支援部
Copyright(C)2003-2005 あきんどPLAZA All Rights Reserved.