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「あきんどPLAZA」の事務局です。今年度第4号のメルマガです。 さて、9月12日は「宇宙の日」、9月は「宇宙月間」です。1992(平成4)年、毛利衛さんがアメリカのスペースシャトル・エンデバーで宇宙へ飛びたった日にちなみ、同年に制定されました。この日に航空宇宙技術研究センターなどでは一般公開や各種イベントが行われたりします。(今年は月曜日なので、10、11日に開催されていることが多いようです。) 一方、商店街と何か関係はないかと調べてみました。まさかとは思っていましたが、東京の国立市において、地元の一橋大学と商店街・行政が連携した「まちかど教室」という取り組みにおいて、「宇宙はあなた自身です!」という講座が開催されました。(10日(土))国立市の商店街と一橋大学は産学連携の取り組みが盛んです。2001年の研究会から始まり、2003年には商店街の空き店舗に「まちかどキーステーション」を設置しました。ここでは、学生が中心となってカフェなどを経営する試み、エコスポットの設置、先述の「まちかど教室」というカルチャー教室などが行われています。ほかにも様々なイベントやエコマネーの実験などが行われており、地域コミュニティの活性化に取り組んでいます。詳細はこちらをご覧ください。 それでは今回は以下のメニューでお届けいたします。また、このメルマガへのご意見・ご感想も下さいね。
ホームページを使った情報発信のススメ 私は、ほりほりの姫路ガイドという地域サイトと、播州ハムほりほり支店というネットショップを運営しているのですが、実はこれには、これまで まちづくりイベントを企画・運営してきたノウハウが生かされています。まちづくりも、サイト構築も基本的な考え方は同じです。そこで今回は、ネットショップ立ち上げの手順と考え方を紹介させて頂くことによって、商店や商店街の情報発信のヒントになればと思っています。
■コンセプトを明確にする まずは、「誰に」「何を」「どうしたいのか」というコンセプトを明確にする必要があります。これさえ決定すれば、ホームページのデザインや内容は自然に決まってきます。逆にこの部分が中途半端だと、やればやるほど迷路に落ち込んでしまうので注意が必要です。 ■価値に気づく 意外に自分の持っているモノの価値に気づかないケースって多いようです。「小さい」「古い」「無名」「時間や費用がかかる」「田舎」といった自分たちが当たり前だとか、マイナス要因だと思っていることが、お客様にとって価値があるというケースは多々あります。相手側からの視点で物事を考えることが肝心です。 ■価値をアップさせる ところが一方で、インターネットの出現で全国の同業者や地域が競争相手となりました。町で一番の有名店も、隣町では無名。地域の名産品も全国にはもっと有名な産地があります。また、価格勝負だとリアルで規模の大きい企業が、ネットの世界でも最後は勝者となります。そこで、見つけた価値を向上させる方法として、ご提案したいのが"ブランド化"です。 こう書くと「うちには、とても無理だ」と言う声が聞こえてきそうですね...もちろん、難しいのは事実です。しかし、間違いなくオンリーワンやナンバーワンはどんな小さな商店においても存在します。それは、店の歴史や、創業時の思い、経営哲学、商品に対するこだわりといった"個としての物語"です。「あの店から買いたい!」とお客様に思ってもらえる"店"や"店主"に対するブランド化が、実店舗でもネットでも必要です。そして、その物語を語るのにホームページほど適した媒体は他にはありません。 ■価値を伝える しかし、どんなに良いホームページを作ったとしても、お客様に伝わらなければ存在しないのも同然です。そこで、企画段階から告知を考慮する必要があります。その方法としては「ネットで情報収集する場面を想像して、そこから逆算して考える」「マスコミに取材されることを意識したページを作成する」というのが非常に効果的です。 また、インターネットと言えば全国(全世界?)を対象というイメージが強いですが、ネット人口増加という社会的背景や、自店の販売(製造)能力を考えると、あえて地域を限定して情報発信するという選択肢も、これからはアリだと思います。特に近年ブームになっているブログの登場はクチコミ社会の到来と、それに伴うビジネスチャンスが生まれたことを意味していますので、今後ますますその傾向は強くなると思います。(ただし、商品が悪ければ逆に悪いクチコミの発生源となるのでご注意下さい) ■リアルの弱点はネットに移行する 実店舗で売れなかった商品が、ネットで(努力なしに)売れたという事例はありません。また最近は、バーチャルモール出店が、ネットショップ成功の秘訣のように伝えられていますが、立地条件に頼った商売にリスクがあるのは、ネットも実店舗も同じです。我がまち・姫路でも、大型ショッピングモールの誕生に伴い、シャッターを閉める店が増える一方で、常連に支持され続ける老舗や、遠方からのお客様で行列のできる新規店があります。 勘の良い方は、ホームページ作りを進めていくうちに「ホームページ作り」=「商売のやり方の再構築」であることに気づかれると思います。ぜひこの機会に、ホームページ作りにチャレンジして頂きたい。そして、ご自分の商売について、今一度見つめ直す機会を作って頂きたいと思います。商店街の1軒1軒が自信と誇りを取り戻し、光り輝くことが、商店街の活性化、まちの活性化につながっていくものと私は信じています。
今こそ経営の革新を! ■業務用から一般酒販店に転換 株式会社大阪屋は、先々代が愛媛県八幡浜の大阪屋より分家して、宮崎市に食料品店を開業したことに始まる。先代(2代目)が昭和26年に酒販免許を取得して、酒を中心にした営業形態に変換したが、当時は、いわゆる「町の酒屋」ともいうべき一般酒販店であった。 当店の裏通り一帯は、宮崎市屈指の飲食店街である。当店は、飲食街の飲食店へ納品を行う業務用酒販店であった。特に、先々代及び先代の努力により、数軒の自社ビルを保有しており、ビルのテナントを固定客に、有利な条件で商売ができていた。 ところが、大手食品卸でスーパーマーケットの担当をしていた現社長が、後継のため当社に入社し6年後の1985年に、先代社長が60歳の若さで急逝したことから、事情が急変した。現社長は、先代の経営手法を踏襲し、全力で経営に当たってきたが、「先代だから取引していた」という顧客もあり、当店から離れていく得意先が多くなった。 大規模小売店舗法が改正され、大型店の進出が始まり、顧客の購買行動が変化してきた。さらに、小売酒販免許の緩和が予想され、このままだといずれ経営が行き詰ると社長は考えるようになった。 社長は、従来の経営手法をゼロベースで見直し、新しいコンセプトの大阪屋に生まれ変わることを決意した。 ■「ちょっと寄ってみたい酒屋」を基本コンセプトに再スタート 1991年9月、自社ビルの飲食店を中心に持っていた業務用の売上高を惜しげもなく捨て(仲間の酒販店に譲渡)、店売り中心で、清酒と焼酎に強化した酒販店に転換することを決断したのである。ちなみに、当時は業務用が9割、一般消費者向けが1割という売上高構成比だったので、一大決心による業態転換であった。 店舗を全面リニューアルし、再スタートを切った。「ちょっと寄ってみたい酒屋」を基本コンセプトに、次の5つの経営方針を実行した。
これらの方針を実現するため、店内レイアウトや設備配置に工夫を凝らした。まず、入口正面には、今月の一押し商品のディスプレイと試飲用ボトルがカウンターの横に用意され、来店した客が気軽に試飲できる。 また、奥に大型テーブルが2台置かれ、普段はお勧めの商品陳列、顧客とのコミュニケーションおよび包装場所に活用される。しかし、テーブルの効果を発揮するのは、蔵元を交えた固定客とのコミュニケーションのときである。取引先の蔵元が宮崎に来るようになったとき、一泊してもらい、その日は早めに閉店して「酒を楽しむ会」として、蔵元との交流会を開催するのである。 ■オリジナル酒と優秀なスタッフで販売力強化 大阪屋の商品別販売構成は、酒類約80%、食品約20%となっている。酒類の販売構成比は、南九州ということもあってやはり焼酎がトップで56%を占めている。しかし、清酒需要もあることから、清酒にも力を入れ22%、ビール、ワイン、ウイスキー、リキュールが22%となっている。 食品は、どこにでも売っている食品ではなく、宮崎の特産品を中心に差別化商品を扱っている。特産品は、県外客からの注文も多く、付加価値の高い商品のため、当店の粗利益率向上に貢献している。 清酒・焼酎は、いたずらにメーカー数を増やすのではなく、自社の経営スタンスにあった少数の蔵元との深いつながりを重視している。取扱商品は、直取引の蔵元ブランドのほか、当店のオリジナル商品の開発にも力を入れている。現在、当店のオリジナルブランドは、12アイテムに達している。
「経営の革新」すなわち「変化対応」がうまく行くかどうかは、時代や環境が求めるニーズをきちんと把握できているかどうかにあることを、大阪屋の事例は教えている。 出典:「酒販店の勝ち残り繁盛法」酒類業研究会杉本收編著、(財)大蔵財務協会 参考文献:「セブン-イレブンに学ぶ超変革力」木下安司著、講談社
中心市街地・商店街では、オーナー店の相次ぐ廃業により、テナント店や空き店舗の占める割合が年々増加しています。空き店舗に入居するテナントの選定は、高い家賃収入を期待する店舗所有者の意向により決せられることが多く、家賃負担力のある特定の業種が集中したり、賃料の高止まりによって空き店舗が長期間放置されたりするなど、商店街全体の活力を阻害する要因となっています。こうした事態を打開し、全体最適化に向けた商店街のテナントミックスを実現していくためには、店舗の所有と使用を分離したマネジメント手法の構築・導入が有効であるとの認識から、平成16年度に当局で実施した委託調査研究の結果について、その概要をご紹介します。 ■ケーススタディ 本調査では、松山市と高知市を対象にケーススタディを実施し、税収のシミュレーション、空き店舗率と商店街の資産価値との相関、来街者や店舗所有者等の意向調査などを実施しました。 1.固定資産税収の試算 中心市街地の地価下落による税収減と、郊外型SC等の立地による税収増が均衡するとの見方もありますが、両市の税収の約5割を占める固定資産税の推移について試算を行いました。(※試算では、負担調整措置の影響等を無視しているため、実際の固定資産税額とは一致しない。)
2.店舗所有者等の意向 両市における来街者の消費者ニーズや店舗所有者・オーナー店経営者の意向について、アンケート調査を実施しました。
■テナントミックスの実践手法 中心市街地において、商店街やまちづくり会社が店舗所有者等と連携しながら店舗マネジメントを進めている全国の事例調査を実施し、その手法について以下のように類型化を行いました。 [※対象事例:宇都宮ユニオン通り商店街(宇都宮市)、宇都宮市商工観光課(宇都宮市)、(株)まちづくり長野(長野市)、(株)新長浜計画(長浜市)、(有)アーバン開発(八戸市)、高松丸亀町商店街(高松市)] 1.テナント店に対するマネジメント手法
2.オーナー店舗の再編を含むマネジメント手法
■店舗マネジメントの課題と方策 店舗の所有と使用を分離したマネジメントについて、商店街全体の魅力向上へと結びついていくための課題と方策について取りまとめました。 1.日常的な対応 空き店舗発生後の場当たり的なテナントリーシングではなく、関係者による日常的な交流や情報交換を通じ、各店舗の経営状況や退店動向を事前に察知することにより、計画的かつ迅速な対応を図る。 2.店舗所有者の巻き込み 店舗所有者は商店街における最大の利害関係者であることから、賃料の値下げやテナントミックスの実現が将来的には自らの利益にもつながることの理解を得るともに、商店街全体の店舗マネジメントへの参画・協力を求めるなど店舗所有者の巻き込みを図る。 3.適切な事業主体の選定・創出 店舗マネジメントは商店街関係者の総意により進めることが望ましいが、合意形成に長期間を要し時期を逸するケースもある。このため、例えば有志の出資によるまちづくり会社が事業主体となり、一元的・包括的な実施体制のもとで実績を積み重ねることにより、商業者の意識改革や商店街ぐるみの取り組みへと発展させていくことも考えられる。 4.実施体制の整備 店舗マネジメントを実効あるものとしていくためには、事業主体の組織的・人的能力の向上を図るとともに、外部専門人材の有効活用、負担や利益配分に関する仕組みの構築、店舗配置やテナント誘致のルールづくり、活動を支える財政基盤の強化など様々な実施体制を整備する必要がある。
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