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「あきんどPLAZA」の事務局です。今年度第3号のメルマガです。 経営再建中のダイエーの各店舗が継続か閉店かといった動向は、近辺の商店街にとって大変気になることと思います。11日にダイエーの取締役会において、水戸店を初め9店舗の閉鎖を決定した、と発表されました。そのうちの一つにダイエー金沢店もありました。 金沢といえば、昨年10月に県庁移転跡地に「金沢21世紀美術館」がオープンし、初年度目標の30万人を大きく超える入場者数で、中心市街地活性化に一役買っています。この美術館は商業集積地区の香林坊の近くにあります。一方、もう一つの商業集積地である武蔵地区は兼六園・金沢城公園を挟んで美術館と反対の地域にあり、ここにダイエー金沢店があります。 金沢駅から美術館までの道を「アートアベニュー」として整備し、賑わい創出を図っている金沢市はかなり成果を上げていると思います。ところが、武蔵地区のダイエー閉店の知らせ。中心市街地活性化への道のりは本当に困難なものだと、考えさせられました。 それでは今回は以下のメニューでお届けいたします。また、このメルマガへのご意見・ご感想も下さいね。
■大分県佐伯市特産品通販サイト「さいきり~ふ」とは 大分県の南部に位置する佐伯市は、近年、ご多分にもれず大型量販店の出店、高速道路の隣市までの開通などで、地元商店街は一気に元気をなくしていきました。 商店主様、生産者様のところに伺うと、「不況で良い話は何もないよ」「こんな時はじっとしているしかない」「買い叩かれて、作っても利益がでない」「大型店ができて、お客さんがいなくなった」「行政が何もしてくれない」そんな言葉があいさつ代わり・・・。 私は、町が元気をなくしていくのが残念でしかたありませんでした。 「どうにかしたい!」その一心で、今年平成17年3月、佐伯市と南海部郡が合併、海・山・町の産物が揃う新佐伯市の誕生を機に、それまで佐伯市のお店情報がメインだったサイトを全面リニューアルし、佐伯市の特産品通販と観光情報を盛り込んだサイト「さいきり~ふ」を立ち上げました。 ■「メールマガジンって、どこの本屋で売ってるんですか?」 オープンからしばらくたった5月の19日に、出店者に参加を呼びかけて勉強会を開きました。講師はなんと、ネットショップの大御所、メールマーケティングで有名な、トンデンファームの中谷昌弘氏です。 中谷氏がお客様に知ってもらう手段として、ホームページや、メールマガジンなどがあると紹介した時に出店者から出た質問は、
ネットで注文が入ると、出店者の方が本当にうれしそうに商品を抱えてきて下さいます。最初は自分の商品が一番!という思いだけが見えていましたが、どうしたらもっとお客様に喜んでいただけるか。少しずつそんな意識に変わっているのがわかります。 それが何よりうれしく、次につながっていくことなので、常に意識を変えていく取り組みが必要だし、出店者より以前に「さいきり~ふ」の運営者である私たちが学び続けることの大切さを感じています。 ■中途半端では成功しない、根気と覚悟 例えば、商店街のホームページを立ち上げたり、ネットショップを立ち上げようとする時に、関係者が全員一致で合意することはないでしょうし、みんなでレベルを揃えてスタートということもおそらくありえないでしょう。 言いかえれば、商店街の人や地域の人にすんなり受け入れられたとしたら、動きとしては遅すぎるわけです。 なので、最初から理解できない方、途中でこぼれていく方たちもいらっしゃいます。 その時に大事なことは、「何をもって成功とするのか」を明確にすることと、「必ず成功させる!」と、“誰か”が覚悟することだと思います。それがなければ難しい。 “先駆者・仕掛人”の使命ですね。 それと中途半端な情報量では情報の価値はないに等しく、また、情報を流すだけでは人は動きませんから、豊富かつスピーディーな情報と、心をつかむ仕掛けが必要になります。そのためには、核になる人がいて、自分の商品だけでなく出店者同士が売れていくことを喜び合えたり、一緒に何かやろうよと声が上がる連帯感を作り上げ、次々に企てていくことが、地域や商店街、ホームページに外から人が訪れ、地域が元気になっていくことにつながるのではないでしょうか。
価格競争に巻き込まれない顧客組織化術 ■消費者は“商品そのもの”ではなく“商品に付随した価値”にお金を払う 酒販店の研修に参加すると、DSやスーパーの安売り競争に巻き込まれて売上高が低迷しているという話をよく聞く。一方、安売りとは一線を画して、業績を伸ばしている店もたくさんある。なぜ業績を伸ばしているのかと秘訣を聞くと、もちろんその店独自の工夫を実施しているとの回答が返って来る。 消費者は、“商品そのもの”ではなく“商品に付随した価値”にお金を払っている。安さというのは、消費者が商品を選択する一つの基準ではあるが、全てではない。中小小売業が、少子高齢化の時代に勝ち残っていくためには、“価格”以外の土俵で大手小売業と勝負していかなければならない。“価格”以外でまず考えなければいけないことは、消費者の“価値”をいかに高めていくかである。 次の公式を見ていただきたい。 価値と価格の関係を示すときに使われるのが、次の公式である。 すなわち、価値は効用と価格の関係で決まるとするものである。上記公式より、価値を高めるためには、次の二つの方法が考えられる。 (1)分子の効用を一定にして、分母の価格を下げる・・・値下げ (2)分母の価格を一定にして、分子の効用を上げる・・・価格以外のサービスの提供 中小商店は、(1)の価格を下げるのではなく、まず(2)の効用を上げることを考えなければならない。なぜなら、(1)の価格勝負は、資金力、人材に恵まれている大手企業に有利な戦略だからである。 では、効用とは何か。効用とは消費者が求めている“サービス”そのものであり、幅広いサービスが考えられる。たとえば、酒販店でいえば“配達サービス”、“御用聞きサービス”、“試飲サービス”などである。地方の電器店で、購入前の“お試しサービス”で消費者の心をつかんで、業績を伸ばしている店がある。店が独自のサービスを考案し、消費者に提供すれば、消費者の効用が高まり、価格は多少高くても店のファンになってくれる。 ■独自サービスを提供する神田和泉屋 神田和泉屋は、東京都心、千代田区神保町に立地する酒専門店である。当初は一般的な酒販店であったが、社長の横田さんは時代の変化を先取りして、20年ほど前に酒の専門店に業態転換した。 神田和泉屋のホームページを開けると、店のポリシーが目に飛び込んでくる。 “この度は、神田和泉屋にご関心をおもちいただきありがとうございます。 神田和泉屋は、取り扱い商品の範囲も狭く、すべての方にご満足をいただける店ではございません。ぜひ皆さまのご理解とご協力をいただけたらありがたく存じます。” 自社のホームページに、“取り扱い商品の範囲が狭く”“すべての方にご満足いただける店ではございません”と高らかに宣言できることは、当店の自信の表れといってもよい。絞込み、集中化が中小の戦略であり、当店の戦略は理にかなっているといえよう。
■お酒の学校を開講、消費者を組織化 神田和泉屋の特徴は商品面ばかりではない。早くから顧客の組織化に熱心に取組んでおり、全国に神田和泉屋ファンを多く有している。顧客組織化の中心は、お酒の学校の開講である。 (1)消費者のお酒の学校 お酒の学校は、日本酒科とドイツワイン科の2つに分かれている。 (1)神田和泉屋学園 日本酒科 1987年4月より開講 2005年02月現在第36期 日本酒科は、アルコール中学(略して“アル中”)、アルコール高校、アルコール大学と順番に進級する仕組みになっている。飛び級は認められない
講師は、横田社長自ら務め、奥様の手作りの料理と当店自慢の地酒を試飲しながらの講義が続く。中学、高校、大学と進むうちに、受講生の多くは当店のファンになっている。20年近く続いているため、当店のファンは全国に散らばっている。口コミで評判が伝わり、開講前に定員いっぱいで締め切りになるケースが多い。また、卒業生が自主的に“神田和泉屋学園同窓会”を組織している。 神田和泉屋は、消費者に“お酒の学校の開講”という他の酒販店にはない“効用”を提供することにより、顧客の“価値”を高めている。横田社長は、“DSやスーパー、CVSが隣に出店しても、影響はほとんどないですね”とこともなげに言う。自信の裏には、他店にはない独自サービスを愚直に実施しているという自負があるのであろう。 神田和泉屋は、中小小売業勝ち残りの一つの方向を示す好事例である。 参考:「神田和泉屋ホームページ」
■中心市街地の状況 道内2番目の人口を擁する旭川市の中心市街地には、昭和47年、全国初めての恒久的な歩行者専用道路(歩行者天国)としてオープンした「平和通買物公園」があります。買物公園は、JR旭川駅前から北に約1Km続き、道の両側には多くの商店街がショッピングモールを形成し、旭川の顔となっています。しかしながら人間優先のまちづくりを目指して造成された買物公園も、モータリゼーションの進展や大型店の相次ぐ郊外立地で、歩行者通行量は激減し、百貨店や大型専門店がある駅前地区に比べ、4条通り以北の落ち込みが大きく、南北格差が課題となってきました。
■TMOによるソフト事業の展開 今年度のTMOのソフト事業は、買物公園を舞台に様々な形で展開されています。「オープンカフェ・フラワーロード事業」は、駅前広場をはじめ,買物公園や銀座仲見世通りなどでオープンカフェが順次オープンし、9月上旬までのロングランのスタートを切りました。路上にはパラソルやテーブル等がセットされ、また、フラワーポットやハンギングされた花々が通りを彩り、行き交う市民や買物客にくつろぎの空間を提供しています。「大道芸フェスティバルinあさひかわ2005」は、道内外のプロのパフォーマーと大勢のアマチュアパフォーマーが参加し、ジャグリングやパントマイムなど得意の芸を披露しました。また、フェスティバル期間中、商店街が共催でワゴンセールを実施するなど、地元商店街と連携した初夏のイベントとして定着しつつあります。 また、農業者や農産加工業者などが出店する「朝市」は、毎週日曜日、15回にわたって開催され、出店者は地産地消を重視した「新鮮・安心」な野菜類を中心に販売しており、多くの市民を呼び込んでいます。この朝市が旭川の「名物市」に育っていくことを期待しています。 ■外部人材との連携による賑わいづくり このほかTMOは、商店街との連携はもとより、様々な団体と連携しながら事業を進めており、商業高校とのコラボレーションによる「旭商チャレンジモール」もその一つで、オリジナル商品などの販売実習が商店街の活性化に一役買いました。そのほかにも、NPO、市民団体との連携によるミニコンサートやフリーマーケットなど積極的に団体、市民一体となった中心市街地の賑わいづくりを図っています。 旭川市には、最近全国で類のない展示方法により全国的に大人気となっている「旭山動物園」があります。円柱水槽の中で泳ぐ好奇心旺盛で愛嬌たっぷりの「あざらし館」やダイナミックなダイビングが人気の「ほっきょくぐま館」、8月初めには新たに「くもざる・かぴばら館」などユニークな施設が次々と整備され、昨年は全国から145万人の入場者があったそうです。動物園にお越しの際には、各種イベントを行っている買物公園へもぜひお立ち寄りください。
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