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「あきんどPLAZA」の事務局です。 今年度第7号、8月25日号です。 さて、アテネ・オリンピックも終盤戦です。日本のさらなる活躍を祈りましょう。 スポーツのオリンピックは有名ですが、技能オリンピックという大会をご存知でしょうか。正式名称は国際技能競技大会(World Skills Competition)といい、分野ごとの職業技能の世界一を競う大会です。機械の組立、旋盤・フライス盤といった金属加工、大工・左官・レンガ積みといった建築分野など製造業の技能工の方々の大会といったイメージがありますが、中には、貴金属装身具、フラワー装飾、理・美容、洋裁、洋菓子、調理、ウェイターといった商店街のお店に関連の深い分野の技能もあります。スポーツのオリンピックは4年に1度ですが、技能オリンピックは2年に1度開催され、次回は来年2005年フィンランドのヘルシンキで、その次は2007年に日本(静岡)で開催されるそうです。オリンピックに出場するためには、開催年で22歳以下であることと、日本の予選(技能五輪全国大会)で優勝する必要がありますが、次代を担う商店街の若き技能者の方々も挑戦してみてはいかがでしょうか。技能オリンピックについては中央職業能力開発協会のホームページを、静岡大会については静岡県のホームページを参照ください。 さて、今回も「地域と子供と商店街について考える」夏休み特別企画も用意してお届けします。また、このメルマガへのご意見・ご感想も下さいね。
■環境、国際理解、情報、福祉・健康というキーワード この4つのキーワードを見て、ピンと来た方がどれだけいるだろう。これは、画一的といわれる(公立)学校の授業を、地域や学校、子どもの実態に応じ、創意工夫して特色ある教育を行う、いわゆる「ゆとり教育」で、従来の教科にはない今日的課題として、特に掲げられている4つの課題だ。しかし、今教育現場で、これを効果的に指導できる教員は極めて限られている。これもあと数年で消えるというのが現場の大方の予想だが、これに危機感を持って産業界では独自に次世代リーダー育成に動き始めたところもある。グローバル化の中、もうこんな教育に頼っていられないというわけだ。必要な人材、後継者は、もはや自分で育てるしかない。これは企業しかり、商店街しかり、地方しかり、個人しかり。 ■地域教育の意義~地域人材力が地域力になる日 この20年で、崩壊したコミュニティが3つある。それが自治会、商店街、学校だ。「家庭」が崩壊し、「夫婦」という運命共同体さえ「便宜的」存在になり、どこまでも「個人主義」になった社会。そこで、地域の人がどう関わってくれるのか、商店街がいかに新しいコミュニティを創っていくことができるのか、半信半疑の方も多いだろう。 しかし、「ご近所の底力」などのテレビ番組が人気になり、下北沢の落書き消しに若者が参加し、空き店舗で日替わりオーナーレストランが人気を呼ぶなど、地域の人は自分が求めるものがそこにあれば、「コミュニティ」に参加することにそれほど抵抗はない。 学校の空き教室や土曜日を開放した「サタデースクール」「週末活動支援事業」「シニアスクール」「地域文化体験講座」も各地で活発になっている。また、国では、「こどもの居場所づくり事業」「若者の自立・挑戦プラン」「地域こども教室事業」(いずれも文科省)などを推進している。しかし、これをもっと商店街自身も取り込んでいいし、逆にもっと学校に入り込んでいってもいい。数年で変わる教員任せではなく、地域の意志、底力をもっと発揮してほしい。 これらの事業はまだまだ行政主導で、行き場のない生徒の保育所、預かり所的枠を出られない。原因は、優秀なコーディネーターの不在、ボランティア頼みの安易な運営などあるが、ここはもっと民間が主導して真剣に地域の教育を議論し、広く「知の力」を持っている地域の企業やお父さん、明確な目的を持って活動するNPOなどを取り込めれば、その質も実行力も間違いなく向上する。その発起人に、商店街は積極的に手を上げて欲しい。 ■地域力をパワーアップする! では、具体的にはどうその最初の一歩を踏み出したらいいのだろう。まず必要なのは「きっかけ」づくりだ。まず地域の「コミュニティ・ボンド」を明確にし、それに合った活動をしているNPOを探して声をかけてみよう。そして、地域の人が参加しやすい「きっかけ」となる事業を何か一つ仕掛けてみよう。そのとき重要なのは一回限りの打ち上げ花火イベントではなく、継続的に参加できる活動にしていくことだ。そういう中で、地域の人が主体となって楽しめることができる場を提供し、チャレンジする人を奨励したり、援助したり、発表の場を与えたりすれば、地域の人は自分の生かす場を求めてそこにくるはずだ。 また、特に地方では、良い人材が地元に留まらないことで地域の弱体化を招いている。是非この法律を駆使して、地域で特色のある人材育成に戦略的に取組んでほしい。資源を持つのは地方だが、その資源を活かせるだけの人が今地方にはほとんどいない。しかし、「グローバリゼーション(国境なき経済活動)」の唯一の対抗軸は「ローカリゼーション(地域の視点)」しかない。地域力のパワーアップ、それは人財力にほかならない。
逸品の効用 その1 ~お客様の変化~ ■お客様の高評価が得られる 一店逸品フェアでは、毎回、参加店とお客様に対して、アンケート調査を実施している。そんなアンケート結果をみると、逸品に対するお客様の反応がよいことがわかる。たとえば、山鹿のプラザファイブでの、第1回逸品フェア後の組合員アンケート結果では、「逸品に対するお客様の反応」として、6割近くのお店がお客様の反応がよかったと回答しており、悪かったというお店は一軒もなかった。また、お客様の逸品に対する評価としては、「楽しかった」「これからもこうした企画を続けて欲しい」など、多くのお客様が、逸品に対して、興味を持ってくれていることがわかる。 ■売上至上では失敗する このように、お客様に高い評価を得られる逸品だが、「売れゆき」という点では、結果は様々である。たとえば、食料品やファーストフードのように、比較的単価が低く、衝動買いの期待できる業種では、逸品フェア期間中に売上という形で、お客様の反応が得やすい。しかし、ファッション店や耐久消費財のお店では、衝動買いの機会が少ないため、逸品に興味は持っていただけても、即売上という形にはなりにくい。このように、逸品の売上にはバラツキがある。 よく、商業者の方たちから、逸品フェアでの集客数や売上高を聞かれるが、逸品運動をそうした、近視眼的な視点で捉えてしまうと、期待はずれになることが多い。そもそも、逸品運動は、売り出しではない。したがって、「どれだけ売れたか」ということが問題なのではなく、「どれだけ、お店としてのこだわりやおすすめを、お客様に感じ取っていただけたか」ということが大切なのである。むしろ、フェア期間中に大切にしなければいけないのは、お客様とのコミュニケーションである。どれだけ多くのお客様に、逸品をご紹介できたのか、真剣におすすめができたのかなど、逸品やお店の広報活動に、力を入れるべきである。売上は、結果としてついてくるものであり、実際、逸品運動にまじめに取り組んでいるお店では、そうした成果が徐々に出てきている。 ■新規客の開拓 一店逸品フェアでは、「ひやかし大歓迎」を全面に打ち出している。お客様としては、無理強いされたり、売りつけられるという心配がないため、気軽にお店に来てくれる。いつもは、店の前を素通りしていたお客様も、この時とばかりに、ひやかしに訪れてくれる。自分には関係のないお店だと思っていたお客様も、逸品がアピールされることで、「あら、なんかおもしろそうね」という、軽い気持ちで、お店を覗いてくれる。特に、路面店に対して、お客様は、暗くて、外から見てもどんな商品を売っているのかわからないし、入りにくいと、ふだん感じている。逸品という、商品が全面に打ち出されることで、お店の性格が一目瞭然となるので、興味を持ったお客様は、確実にお店の中に入ってくれる。このように、逸品を通じて、新たなお客様の来店が、期待できる。 ■復活客の獲得 また、ローカル立地や閉鎖商圏で商売しているお店では、商圏範囲も限られるため、新規客の開拓よりも休眠客の復活の方が多くなる。中心商店街を捨てて、郊外の大型店に行ってしまった顧客や、周辺都市に流出してしまった顧客など、かつての中心客層に、もう一度商店街のお店を見直してもらうキッカケに、逸品運動はなる。事実、山鹿のプラザファイブでは、オープン当初の中心客層であった50代60代の顧客が、逸品フェアをキッカケに訪れてくれた、というお店が数多くみられた。このように、逸品を通じて、以前は来店していたが、足の遠のいてしまったお客様の復活が、期待できる。 ■お客様とお店の新たな関係づくり 逸品運動は、お客様とお店との新たな信頼関係づくりである。自信を持っておすすめした逸品をお客様が購入し、実際に食べたり使用して、逸品の良さを実感する。結果として、「やはり地元のお店は信用できる」との好評価を得ることができ、地域のお店としてお客様の信頼を勝ちとることができるのである。よい逸品をお客様におすすめすることで、地域に根を張って永年商売をしてきた、地元商店の良さや信頼感を、改めてお客様に感じ取ってもらうことが大切だと、私は思う。
ネットショップだけでないWebビジネス ホームページやメールを使ったWebビジネスといえば、商品を販売するネットショップだけを考えがちです。しかし、皆様のお店に来て貰うためのWebの使い方もあるのです。この使い方をクリック&モルタルと言います。クリックは、マウスのクリックのことですが、ここではインターネットを使った商売のことを指しています。モルタルは実店舗のことです。つまり、クリック&モルタルというのは、インターネットと実店舗をうまく使って商売をすることです。この代表的な使い方で有名なのが、レンタルCDのTSUTAYAです。携帯電話で新曲を視聴して貰い、どの店で、そのCDをレンタルできるかをホームページで案内するというものです。少し、難しそうです。それに、クリック&モルタルの使い方をしている中小商店はほとんどありません。それじゃ、関係ないと思わないでください。 クリック&モルタルの使い方は、まだほとんどされていないために、無限の可能性があるといってもよいのです。あなたのお店が、世界中に広まる“ビジネス・モデル”の生みの親になる可能性だってあるのです。どうです、かっこいいと思いませんか。お金はほとんど必要ないのです。アイデアと日々の努力だけで、お客様がどっと押しかける可能性があるのです。 具体的に、どのような使い方があるか、考えてみましょう。 ■本屋で アマゾンで本が買えるようになり、実店舗の本屋はなくなると思われていました。しかし、本を手にとって見てから買いたいという人は少なくなかったのです。それに、喜ばしいことに、最近は本屋の販売員が自分のお薦めの本に魅力的なPOPをつけることが流行り、賞までつくってしまいました。ひとりの販売員がつけた魅力的なPOPで、“白い犬とワルツを”というベストセラーまで生まれたのです。このPOPをメルマガやホームページで流してはどうでしょう。「こんなに面白い新刊が入ったから、お店に読みに来てください。そして、気に入ったら買ってください」と。アマゾンや楽天ブックスにないような、ユニークな本の説明文で、皆様のお店のファンが増えるに違いありません。 ■魚屋、八百屋で 魚屋や八百屋のような生鮮のお店にこそ、クリック&モルタルはうってつけです。この場合は、携帯電話でのメルマガです。よく、5時過ぎから、残った商品のセールが始まります。けれど、それでも売れ残ってしまう商品があるのではないでしょうか。携帯電話は、働く忙しい主婦にかなり使われているのです。子供の服や自分のバッグと一緒に、魚などの食料品をネットショップで買っているのです。しかも、こうした利用者は増えているのです。皆様のお店で、特売情報を流してあげれば、送料を払って遠いところから買わなくても、新鮮な魚や野菜を安く買うことができるのです。そのうち、携帯メールで特売情報を流す店だけにお客は集まるという時代になるかもしれません。 ■飲食店で 飲食店は、わりとよくホームページを出しているようです。グルナビなどの飲食店サイトがあるからでしょう。けれど、いつ見ても、同じクーポンがついているのでは、お客様にとっての刺激は少ないのです。ここをさらに積極的に進めてはいかがでしょうか。トップページでは、季節のお料理を紹介し、お誕生月のお客様にはケーキをサービスする、2月はバレンタインデーイベントでワインをサービスする。しかも、クーポンを持ってきたお客様だけにです。せっかくのクーポンですから、もっと生きた使い方ができるはずです。ほかにも、レシピを載せて、昼間の空いた時間でお料理教室を開くなど、工夫はいくらでもあるはずです。 ■家電店で 家電店も、大型家電店やインターネットショップにお客を取られて苦しい状況にあるひとつです。そこで、こちらでも来店を促すためのインターネットの使い方を考えましょう。地元の家電店の強みは、大型家電店に比べ、地元に密着していること、それに家電に詳しいということです。そこを利用して、痒いところに手が届くサービスをするのです。テレビを買ってくださったお客様には、箱を玄関先に置いて帰るだけではなく、映るようにアンテナへの取り付け、ビデオへの接続、それに古いテレビの回収までするのです。洗濯機は、使っていると市販の洗浄剤だけでは落ちないカビがついてきます。洗濯層を取り外してのメンテナンスなど、いくらでもサービスはあるはずです。このサービスをホームページで説明するのです。いくら、いいサービスをしていても、近所のお客様でも知らないことは多いのです。チラシも効果はありますが、チラシをだいじに取っておいてくださるお客様はほとんどいないでしょう。そこで、チラシに大きくURLを入れ、「お気に入りに入れておいてくださいね!」と明記しておくのです。チラシの一過性の効果をホームページが引き継いでくれるでしょう。
経済産業省が平成15年7月に募集した、商店街等の魅力アップのための「中心市街地・商店街と文化服装学院及び各文化服装学院連鎖校との連携事業」について、九州経済産業局では、『柳川商店街振興組合』(福岡県柳川市)及び『香蘭ファッションデザイン専門学校』(福岡市)と連携し、今年度、事業を実施しておりますので紹介します。 柳川市は、総延長470kmの堀割がある水郷のまちとして、また、北原白秋の生誕地として知られている観光地です。しかし、柳川商店街は、観光拠点から離れていることもあり、来店者はほとんどが地元の人です。最近は、近隣市町村への大型店の進出や、商店街の駐車スペース不足、商店街の真ん中に車道があり消費者が安心して歩けないなどから、店舗数や売上高、来街者の減少等の問題を抱えており、早急に対策を講じる必要があります。
当事業に対して、柳川商店街では、学生達の斬新な提案による商店街の魅力向上や、事業やイベントによる来街者の増加等に期待する声が上がっています。 また、当局としても、ファッションセンスある若者の提案を受けて商店街がどのように活性化するのか期待を持っており、両者をサポートしているところです。
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