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「あきんどPLAZA」の事務局です。
今年度第5号、7月26日号です。
連日暑い日が続きますが、皆様、夏バテせずに過ごされていますか。
さて、日本で記録された最高気温は何時、何処で何度であるかご存知ですか。1933(昭和8)年、7月25日に山形市で40.8℃が記録され、これが観測史上の最高気温とされています。という訳で、ちょうど7月の今頃が最も暑いのですね。
でも、地球温暖化が叫ばれ、温室ガス効果で最近は気温が高いということですが、最高気温が記録されたのは昭和の初めであるのは意外な感じもします。
ちなみに、最低気温は、1902(明治35)年1月25日に北海道旭川市で、-41.0℃が記録されています。旭川では、この最低気温「-41℃」を名前に冠したお菓子まで発売され、地域活性化に一役買っているようです。こうした日本記録というものも、地域資源として活用できることもある、ということでしょうか。

さて、今回は以下のメニューでお届けします。また、このメルマガへのご意見・ご感想も下さいね。


一店逸品運動でいきいき商店街(第5回)
└ (株)ワイ・キャップコンサルティング 代表取締役 太田巳津彦
これならできる!ITで商売繁盛(第5回)
└ NATUコンサルティング 代表 青木悠子
<商店・商店街NOW!>
天神様の街に吹く新しい風

└ 亀戸十三間通商店街振興組合
<経済産業局レポート>
タクシー乗って商店街(まちぐゎ~)でお買い物「はいさいカード」事業スタート

└ 沖縄総合事務局 経済産業部中小企業課長 宮里景康
お知らせコーナー



 【 第5回 】
 (株)ワイ・キャップコンサルティング 
  代表取締役 太田巳津彦

逸品とは

■専門店らしさを表現するのが逸品
 大店立地法になり、流通業界での競争は激化している。オーバーストア状態になれば、顧客の選択眼は、一層厳しくなる。そして、お客様に選ばれる店舗になるためには、お店としてのアイデンティティがなければいけない。アイデンティティとは、専門店らしさということになるが、そもそも専門店らしさとは一体何だろうか。大型店やチェーン店にない、個性的な商品やサービスがあり、販売方法や店づくりにもユニークさがあふれているのが、専門店らしさということになるだろう。
 そして、この「専門店らしさ」を、商品やサービスという一つの形として、表現するのが逸品なのである。したがって、逸品の主たる目的は、専門店としての存在価値や個性を表現することにある。一言で表すなら、「お店の品揃えを一つの商品やサービスという形で表現するのが逸品」ということになる。お店の積極的な意思が示されている商品であることが、逸品の基本的な条件であり、単なる売れそうな商品ではない。よく、逸品フェア期間中の、逸品の売上について訊ねられることがあるが、そんな短期的な視点で逸品を考えるのではない。お店としての、中期的な方向性を表すのが、逸品なのである。
 また、逸品は、お店サイドの独りよがりではなく、あくまでも顧客ニーズを前提として、開発や発掘されなければいけない。いわゆる、プロダクトアウトでなく、マーケットインということをベースにした商品でなければいけない。
具体的には、次のような商品が、逸品にあたる。
 ・お店の特徴を示す商品
 ・お店のおすすめ商品
 ・店長のおすすめ商品
 ・季節のおすすめ商品
 すなわち、逸品とは、お店の売る姿勢を明確に示した、おすすめ商品や売り筋商品である。また、地元店には、地域の消費をリードする、大切な役割が期待されており、顧客の潜在ニーズを掘り起こす、「提案型商品」が逸品として店頭に出されると、お客様の反応は極めてよいのも事実である。

■開発型と発掘型
 逸品には、大きく分けて二種類ある。一つは、まったく新しい商品やサービスとして「開発」された逸品である。すなわち、製造小売の店舗を中心に、開発される逸品である。飲食店や食料品店における、逸品の多くは、開発型である。私は、開発型の逸品のできるお店には、初回であっても、あえて新商品や新メニューを創っていただくことをお願いしている。
 もう一つの逸品は、従来から扱っており、仕入先との話し合いの結果、「探し出された」逸品である。前述したような開発型の逸品は、どんなお店にもできるわけではない。多くのお店は、仕入販売をしているので、逸品の開発は困難である。したがって、多くのお店は、「発掘」型の逸品に取り組むことになる。
 さらに、発掘型の逸品は、すでに取り扱っている「従来型の逸品」と、新規に取り扱う「新逸品」の二つに分けられる。従来型の逸品の代表格は、お客様から根強い支持を得ている「ロングセラー商品」である。お客様に愛されている商品を逸品として、改めて打ち出したものである。一方、新逸品は、既存の仕入先と相談したり、場合によっては、新規の仕入先を開拓して、取扱を開始する新商品である。逸品探しは、中小店や地方のお店では難しいと思われがちだが、実際、九州や東北のローカルな個人商店でも、新逸品を探し当て、地域のお客様に喜ばれている。始める前から、「うちには無理」とあきらめるのではなく、消費者の目で探してみれば、逸品は見つかるのである。



 【 第5回 】
  NATUコンサルティング
  代表 青木悠子

サービス業店の成功事例に学ぶ

 前回は、『個客満足づくり』をうまくやっている小売店の事例をご紹介しました。今回は、引き続き、美容院と自動車学校の例を上げます。

<美容院C店>
 女性は不況になっても、美容にかけるお金は減らさないと言います。しかし、最近、モノが売れなくなり、美容院の数が増え、さすがの女性も美容院に通うサイクルが長くなっています。そういう事情で、美容院も、ただ、カットやパーマなどの美容技術があるだけでは生き残れなくなっています。
 都内にある『美容院C店』では、電話とパソコンを連結したCTIを導入しています。電話がかかってくると、どこの○○さんという基本情報だけでなく、前回、いつ来店して、どのような施術をされたかのカルテまで出てきます。ここで、お客様の名前と過去の履歴が分かるわけですが、それからどういう行動を取るかが重要になってきます。この点をC店では、ここまでという程、考え抜いて対応しています。
 まず、初めて予約するお客様の不安を理解します。その不安を解消するための話術も組み立てており、担当する美容師のプロフィールをFAXで送るのです。2回目以降のお客様からは、前回の来店時への不満がなかったかをうまく聞き出します。不満を感じた場合は、他のスタッフを提案して交代させます。また、初めての美容院で最も不安に感じるのは、価格です。これも、美容師のプロフィールと一緒にFAXで送ります。
 次のステップは、カウンセリングです。ただ、「今日はどうなさいますか」と聞くばかりでなく、「スタイルは決まっていますか」、「服の好みはシャープな感じですか、ソフトな感じですか」というようなお客様の答えやすい質問を重ねていきます。
 パーマ待ちの時間も苦痛でなく過ごしていただくために様々な飲み物を準備し、疲れにくい椅子を置いています。施術が終わりお客様が帰ると、その日に行った施術内容を細かく記したDMを郵送します。
 予約時点でのきめ細かな電話応対や、帰宅後のDM発送は、CTIや詳細な顧客カルテがなければ出来ないことです。しかし、C店がお客様からの信頼を得ているのは、IT導入はもちろんのこととして、カウンセリングのノウハウを磨き、椅子にまで気を配るなど、来店時の接客に万全の体制を取っているからなのです。

<自動車学校D校>
 自動車学校も、ほとんどの成人が自動車免許を持つようになり、生徒予備軍の子供の数が少なくなっているとあって、厳しい状況にあります。長崎県にある『自動車学校D校』は、生徒さんに、いかに喜んで貰うかをITを使い、工夫しています。まず、小学生のうちから営業にまわり、免許取得にかかる費用の積み立てから始めます。生徒さんになってくださる数年前から、顧客データベースが出来ているのです。
 入学すると、グループウェアと連携し、電話担当者が生徒さん本人と親御さんにこまめに電話連絡を取ります。生徒さん本人と指導員は、携帯メールできめ細かなコミュニケーションを取ります。重要なタイミングは、仮免取得時です。合格が分かると、「仮免合格おめでとう。路上の予約を取っておくから」というメールが生徒さん宛に送られます。
 ITは、様々な場面で使われており、指導員が教室で座学を行う場合には、興味を惹くためにパワーポイントで講義します。生徒さんから、「先生、かっこいい!」という声もあり、指導員の指導意欲も増してきたそうです。





天神様の街に吹く新しい風 ~亀戸十三間通商店街振興組合~

■亀戸十三間通商店街とは・・・・
 JR総武線の亀戸駅北口前から明治通りを400m行くと蔵前通りにぶつかる。その400mの間が亀戸十三間通商店街。組合員は120店舗。物販店3割、飲食・サービス業7割で構成されている。駅前立地で背後には住宅地を抱えており、人通りは平日・休日を問わず多い。
 背後には梅と藤で有名な亀戸天神と香取神社があり、門前町的な要素もある商店街である。そして商店街名も“亀戸十三間通商店街”となれば、昔ながらの風情のある商店街のイメージが浮かんでしまうが・・・。

■こだわりの【kame13.com】
 そんなイメージとは異なり、商店街のこれからを見据えた戦略が打たれていた。今日のようなネット社会が普及する今から4~5年前に、当時としては珍しい独自ドメインをホームページ(HP)の立ち上げよりも早く取得していた。それが【kame13.com】である。
 そして平成13年5月に満を持してHPを立ち上げた。このHPは自分たちで管理運営できる小回りのよさにこだわったものである。こうしたこだわりが、HPやイベントなどに対する積極的な姿勢としてでているのであろう。また、駅前7商店街による若手の勉強会「かめの会」では、「メールマガジン亀戸」の発行や、これからの商いに対して真剣にこだわる組合員の姿勢――これは高く評価できる。

■ホームページは年4~5万件のアクセス
 そんなこだわったHPには、日に100件から150件、年間では4万件から5万件のアクセスがある。コンテンツは、各商店やイベントの紹介、商店街の詳しい地図、交通アクセスと掲示板など豊富なメニューがある。
 ここでのこだわりは、「商店街ウェッブ散歩」という3D商店街マップである。利用者の立場に立って制作されていて、商店街を実際に散歩しているようなそんな見易さがある。

■なんと!明治通りを歩行者天国にして「とみの市」
 商店街のイベントとしては、毎月第1日曜日に開く「とみの市」。明治通りを歩行者天国にして開催する「とみの市」は大変人気がある。とくに、夏の市は毎年別名の冠を付けて盛大に行う。昨年は「クリーンクリーンセール」、今年は「じゃんじゃんセール」。通りに机やワゴンを出してのセールが人気を呼んで、400mの通りは、人・人・人で埋め尽くされる。

■今秋、防犯カメラ32基を設けて安心・安全の街へ
 ことしの秋には、念願の「安心・安全の街」へ、さらに一歩を進める。江東区では初めての「防犯カメラ32基」を設置する。
 「お客様が、本当に安心して歩ける街になれば、それだけの費用をかけても惜しくないですよ。ただ、組合員に諮ったとき、はじめは負担金の問題で若干の抵抗があった。でも、擬似防犯カメラを設置しただけで、まったく犯罪が起こらなくなったと聞いているから、32基も設置すれば大変な効果があると思いますよ」。
 将来的には亀戸十三間通商店街のイメージ像を次のように描いている。「かめの会で『原点に返った商いをしていこう』と話し合っているのです。お客さんとのコミュニケーションを大事に、人間に優しい商いをしようということです」(田中繁雄事業部長・理事)



タクシー乗って商店街(まちぐゎ~)でお買い物「はいさいカード」事業スタート
~タクシー&商店街が誘客で連携~
沖縄総合事務局 経済産業部中小企業課長 宮里景康

 タクシー会社と那覇市の中心市街地商店街が連携し、利用客の獲得と中心市街地商店街の活性化を図るユニークな事業が去る4月29日に県内で開始されましたので、ご紹介します。
 この事業は、「はいさいカード」事業というもので、仕組みは、タクシーの利用者に対し「はいさいカード」(台紙)を発行し、利用者がタクシーの運賃に応じてもらえるシール(初乗り1枚、1000円超えると500円ごとに1枚)を40枚集めると、同カード自体を商品券としてみなし、商店街で買い物ができるというものです。
 この事業の企画は情報関連会社によるものですが、同社では、「固定客の多いタクシーに着目、中心市街地商店街と公共交通の一翼をになうタクシーを結びつけることにより、苦境にあえぐ両者の利益につながればと企画した。」と話してくれました。事業の運営費がタクシー会社からの拠出金によって賄われているのもこの事業の特徴です。同社の試算によれば、事業の実施期間(1年間)における商品券の発行額は0.8億円、商店街の売上創出効果は1.6億円を見込んでいます。まだ事業を開始して間もないことから、商店街での「はいさいカード」(商品券)の流通はまだ僅かですが、「はいさいカード」(台紙)の配布枚数は20万枚を超えており、那覇市の後援もあって、徐々にではありますが一般市民にも浸透しつつあるようです。

 事業に参加するタクシー会社は県内の大手2社(対象タクシー667台)で、タクシー会社では、「はいさいカードをきっかけにして、近距離客の獲得や運転・接客マナーの向上を図るとともに、地域の公共交通としての認知を高めて、地域を支える商店街の活性化に貢献したい。」と意欲をみせています。
一方の商店街は那覇市内の6商店街が本事業に参加、関係者によれば「8割の商店が商品券の受け入れを行う予定。お年寄りを含めた新たな顧客を商店街(まちぐゎ~)に一人でも多く運んでほしい。」として、事業への期待を寄せています。

 一石二鳥をねらった「はいさいカード事業」ですが、商店街の活性化を図るためには、これを契機に商店街の新しい魅力を創出できるかが鍵であり、消費者のニーズにあわせた店づくりなど商業者の努力も今後重要になってくるものと思われます。事業終了後の来年6月には、旅行券などが当たる抽選会や商店街でのイベントなども企画されているようです。
「はいさいカード」システムの定着・拡大など運輸業と商業者の連携プレーの今後の展開に注目をしていきたいと思います。

お知らせ

立ち上がれ 街元気リーダー「街元気プロジェクト」のお知らせ

 経済産業省では、活気のある街づくりには、地域の仲間を先導し、その活動の中心となるリーダーの存在が必要との考えから、中心市街地商業等活性化支援業務(人材育成事業)を平成16年度に実施します。
 本事業では、戦略的な街づくり活性化活動をリードする「街元気リーダー」育成のために、街づくりの情報ポータルサイトを開設し次のような事業を展開します。
(1)遠隔地の商業者同士が意見交換できるネットコミュニティ
(2)全国どこからでも受講可能なe-ラーニング講習
(3)既に「街元気リーダー」が存在する地域での現地実習
(4)街づくりに関する情報提供
研修の対象者 1.商業者・サービス業者
2.市町村職員
3.TMO職員、商工会議所・商工会職員等(「等」には、市町村、商工会議所、商工会、TMO、商店街振興組合が推薦する者が含まれます。)
受講料 無料(ただし、PC通信料、交通費・宿泊費は実費負担)
詳細はこちらから!


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【発行日】2004年7月26日
【発行】全国商店街振興組合連合会 企画支援部
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