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「あきんどPLAZA」の事務局です。
今年度第3号、6月25日号です。
さて、6月25日は、かの有名な建築家アントニオ・ガウディの誕生日です。(1852年6月25日生まれ~1926年6月10日没)「あきんどPLAZA」の今回号の日に生誕し、前回号の日(6月10日)に亡くなられたなんて、「あきんどPLAZA」にご縁の深い方、などと考えるのは私だけでしょう。ガウディはスペインのバルセロナ地方出身で、曲線と細部の装飾を多用した、生物的な建築を得意とし、その独創的なデザインは多くの建築家や芸術家に影響を与えたと言われています。有名なサグラダ・ファミリア(聖家族教会)は、100年以上経った今も、ガウディの意思を受け継いだ方々の手によって建築中です。
そんなガウディの影響を受けた建築家の手によるアーケードやモニュメントあるいはお店のある商店街も、皆様の中にはあるのではないでしょうか。

さて、今回は以下のメニューでお届けします。また、このメルマガへのご意見・ご感想も下さいね。

一店逸品運動でいきいき商店街(第3回)
└ (株)ワイ・キャップコンサルティング 代表取締役 太田巳津彦
これならできる!ITで商売繁盛(第3回)
└ NATUコンサルティング 代表 青木悠子
<商店・商店街NOW!>
名称も変更して心機一転!大正浪漫の商店街が誕生!

└ 大正浪漫夢通り(商振)(埼玉県川越市)
<経済産業局レポート>
「若者の感性による中心市街地“まちおこし”作戦会議」の開催報告

└ 四国経済産業局 商業振興室
お知らせコーナー



 【 第3回 】
 (株)ワイ・キャップコンサルティング 
  代表取締役 太田巳津彦

一店逸品運動とは

(1)継続する「運動」である
 一店逸品運動は、逸品フェアや逸品カタログといった、形ばかりが目立つため、イベントの一つと考えられがちだが、単なる販売促進ではない。一店逸品運動は、「運動」なのである。すなわち、売上を上げるということが最終目的ではなく、お店の意識改革、共同意識の醸成、お店とお客様との新たな信頼関係の形成など、広い意味での活性化が、一店逸品運動の目的なのである。
 そして、一過性のものではなく、継続していくことが大切である。今の時代、何かをやったからといって、すぐに効果が出るものではない。まずは、告知することである。次に、お客様に興味を持ってもらったり、理解してもらうことである。そして、最後に購買へとつないでゆくのである。
 したがって、一店逸品運動は、最低でも3年は続けないと、それなりの成果は出ない。成功と失敗の繰り返しの中に、事業としての成果は現れるものである。とにかく、最低3年は続けてみて、その上で、結論を出すことである。

(2)おすすめである
 これまで、一店逸品運動の指導をしてきて、最も強く感じるのが、「おすすめすることの大切さ」である。ところが、中小小売業においては、大型店の繁盛ぶりを見習って、セルフ化を進めてきたお店が、数多く見られる。セルフ化といえば聞こえはよいが、要するに売れるに任せる商売のやり方である。
 しかし、逸品は、おすすめしなければ売れない商品であることが多い。セルフでは、売れないのである。一店逸品運動を展開するということは、もう一度お店側から、お客様にアプローチしてみようということである。一店逸品運動を通じて、「お客様との会話がはずんだ」とか「逸品メニューをおすすめしたらほとんどのお客様が逸品メニューをご注文された」といった声をよく聞く。逸品を介せば、お客様と気軽に会話することができるのである。それが、一店逸品運動をする、意義の一つである。一店逸品運動を通じて、忘れていた商売の原点を見直していただきたい。

(3)しくみづくりである
 前述したように、一店逸品運動は、単なるイベントではない。運動という名の通り、一つの考え方であり、しくみづくりなのである。個別店舗の逸品を検討するためのしくみ、逸品フェアを企画するためのしくみ、フェア期間中の販売促進を考えるしくみなど、一店逸品運動は、これらのしくみに支えられて、初めて実行できるのである。
 そもそも、一店逸品運動のような、新しい事業を行うためには、実行するための「しくみ」が必要になる。ところが、これまでの商店街では、この「しくみ」ということを、軽視してきた。たとえば、ナイトバザールをやろうということになると、先進地の視察に出かけ、どんなイベントをやっているのか、どれぐらいの効果があるのか、予算はどれくらいかかるのかといったことについて、熱心に情報収集する。しかし、どんな組織で、どんな手順で行ったかという、「しくみ」については、ほとんど情報収集していない。いかなる事業も、準備が大切である。にもかかわらず、しくみという準備の中心となる事柄について、これまでは軽視されてきた。まずは、しくみづくりから、着手すべきである。




 【 第3回 】
  NATUコンサルティング
  代表 青木悠子

IT導入による個客商売のポイント

子供の数が減ってきて、新規のお客様への期待が、昔より薄くなってきました。こういう時代だから、お客様ひとりひとりの売上を上げなければなりません。これを『生涯価値』と言いました。『生涯価値』を確保するために、『顧客』から『個客』へ考えた方を変えていく必要があります。けれど、ひと口に顧客満足と言っても、お客様ひとりひとり、満足の種類は違います。ひとりひとりのお客様の満足を得るための基本は、お客様ひとりひとりについてよく知ることです。そのためのIT導入となります。ITを導入したから、「すばらしいこと」が起きるわけではないのです。IT導入による『個客満足づくり』のポイントについて考えます。

(1)基本は顔を見て笑顔で挨拶すること
 たとえば、ポイントカードを導入すれば、今日入ったアルバイトでも、「○○様、ありがとうございました」と言うことができます。けれど、それが、機械的なものであれば、お客様に気持ちが伝わるわけはありません。お客様が望むのは、ポイントによる特典以上に、気持ちのこもった笑顔の挨拶です。当たり前のことですが、このことが忘れられ過ぎているようです。

(2)お客様の何を知るか
 個客対応は、ひとりのお客様のことをよく知ることです。それでは、お客様のどういう情報を知ればいいのでしょうか。それは、商売のやり方によって異なってきます。たとえば、年収は必要でしょうか。以前は、年収と暮らし振りが比例していましたが、最近はそうでもなくなってきています。年収は高いけれど、地味な生活をする人、逆の人、様々です。知る必要のない情報も多いのです。自店の商売のあり方で、知るべき情報を絞り込んでおく必要があります。

(3)お客様とのコミュニケーションをだいじにする
 お客様のことを知るのに、インターネットや紙のアンケートで集めようとしても、なかなか集まらないものです。お客様にとって、個人情報はだいじなもので、警戒心を抱かれる場合も多いのです。お客様の情報は、親密な会話やメールのやり取りの中から得られるものです。親密な会話の中で信頼を得て、自分のことを知って欲しいと思って貰えれば、それが一番なのです。

(4)「お客様のひとりぐらい」という考えを捨てる
 個客商売では、ひとりのお客様の価値が非常に重要です。ひとりのお客様を失うことは、ひとりのお客様が一生に買ってくださる売上を失うことと肝に命じてください。顧客データベースなどをつくる前に、日々の店頭での接客、電話での対応に気を抜かないようにすることが、個客商売の第一歩なのです。

(5)既存のお客様をだいじにする
 今までは、新規のお客様を獲得するために、チラシなどの宣伝コストをかけていました。既存のお客様をだいじにすることも、プレゼントや割引などコストはかかります。しかし、新しい顧客を獲得する場合の1/5で済むと言われています。

(6)意見、苦情を積極的に聞く
 個客商売の第一歩は、お客様の意見や苦情を積極的に聞くことです。今の時代はITが普及して余計に、お客様が強い時代になっています。こうした状況の中で、意見や苦情を積極的に聞く店とそうでない店では大きな差が出てきます。苦情を言ってくるお客様は敵ではなく、大ファンになってくる可能性を持ったお客様です。苦情を言ってきて、放っておいたお客様は悪い口コミでお客様を追い払い、苦情に応えたお客様はよい口コミでお客様を連れてきます。

(7)ITツールは身の丈に合ったものを
 顧客データベースといえば、高価なソフトを購入してと考える方も多いようです。けれど、高性能、高機能なものを導入しても使いこなせないことがよくあるようです。最初は、エクセルで十分です。場合によっては、紙の台帳でいい場合すらあります。どういう情報を集めるか、どうやって顧客情報の鮮度を管理するかというコツを初期の段階で、十分に試行錯誤を繰り返してください。






名称も変更して心機一転!大正浪漫の商店街が誕生!
(大正浪漫夢通り(商振)(埼玉県川越市))

■大正浪漫夢通り商店街振興組合がスタート!
 平成3年11月、商店街の未来を決める臨時総会が開かれていた。その中の最大の問題のひとつである愛称の変更が議題であった。同商店街内に大正時代の建造物(川越商工会議所、鏡山酒造など)が多いこともあって、その資源を活かし「60代の人でもショッピングを楽しめるような、大正時代をイメージした街づくりをして、客を呼び戻そうじゃないか」ということで「大正浪漫夢通り商店街」と愛称変更し、平成16年4月28日に登記上も「大正浪漫夢通り商店街振興組合」に変更された。(旧名称 川越銀座商店街振興組合)この名称変更と、道路のモール化で通行客は2割増を実現したと、組合員から高く評価されている。

■「街づくり協定・規範」でまちの歴史、伝統を守る
 「大正浪漫夢通り商店街振興組合」への名称変更に伴い、街づくりの基本として掲げた目標は「(1)昔からのお得意さんを大切にする、あたたかみのあるまち、(2)便利に来街でき、歩行者が安心して歩けるまち、(3)歴史や伝統が活かされている、情緒ある落ち着いたまち」の3つである。
 この基本目標を念頭において、具体的な基本方針を定め、観光客も呼び込めるような商店街としていくことで、利用者年齢層の拡大を図る。また、そのためにソフト面とハード面とが結びついた大正浪漫のまちづくりを進めていく、というのが基本方針になっている。建物の新・増築などは規範で縛り、その管理運営のために、「大正浪漫委員会」が設立されている。

■「商店街を創る情熱」が周囲にも
 こうした「まちづくり規範」と「商店街を創る」という情熱が行政や商工会議所など周囲を動かした。同商店街は組合員36という規模で資金的に厳しく、行政や設計事務所の先生方が集まってもらうときでも、コーヒー代は参加者たちが自前という状況。それでも、設計の先生をはじめ行政の役人、商店主たちは「面白かった」と、当時を振りかえる。新しいものを創りたいという情熱が人々の心を動かしたといえる。
 最初に手がけた事業が全国を対象にした設計コンペ。主催者として、著名な設計事務所が無料に近い費用で呼び掛けを行ってくれたため、全国から100件の応募があった。そして、現・商店街入口のブティックに、莫大な設計費用なしの実費だけで採用され実現した。
 現在は少額ではあるが補助金を受け、平成5年に5店舗、同8年に7店舗、同9年に2店舗の改造を実施した。街は、着実に大正期に生まれ変わりつつある。

■大正のイメージ実現はこれから・・・
 今でも残る大正の建造物である川越商工会議所、鏡山酒造、川越織物市場、大正時代に建った演芸場・鶴川座など、観光客に回ってもらう建物は少なくない。「それらを大切に保存しながら、商店街の通りとマッチさせていくことが、商店街としての役割だと思っている」(須賀理事長談)

大正浪漫夢通り商店街振興組合のホームページはこちら!




「若者の感性による中心市街地“まちおこし”作戦会議」の開催報告
四国経済産業局 商業振興室

 平成16年2月5日(木)松山市内の商店街の一室で「まちおこし作戦会議」を開催しましたので、その結果を報告します。
 この会議は、四国4県(徳島県、香川県、愛媛県、高知県)から、若い感性を持った幅広い方々(大学生、商店主、TMO、行政関係者)に集まって頂き、互いの年齢や所属を度外視し、まちづくりについて自由闊達な議論を展開して頂くことを狙いに開催したものです。

 当日は、事前登録なしに飛び入り参加した熱心な大学生も多数いたため、総勢30余名が集まった商店街会議室は、ワイワイガヤガヤと、これぞ“まちづくり”の真骨頂という雰囲気に包まれておりました。
 参加者は、3グループに分かれ、グループ毎に“中心市街地の魅力・魅力づくり”というテーマでブレインストーミングを行い、未来予想の突飛な発想から現実的な提案まで、行政関係者では出てこない様々なアイデア等が飛び出しました。

その一端を紹介しますと、
中心市街地の魅力については、「店先から漂うおいしい匂いや季節を感じる景色があるなど、五感でキャッチできる魅力がある」、「珍しい物や老舗、隠れた名物など何かを発見できる魅力がある」、「いきつけの店をはしごしたり、新しい店を発見したり、暇つぶしに歩いても楽しいという要素を備えている」、「長い歴史と独自の文化があり、楽しめる個性を持った店がある」、「挨拶があり、色々と相談に乗ってくれるというふれ合いがある」ということがあげられました。
 また、魅力づくりのアイデアとしては、「魅力的な店があっても知らない人が多いので情報発信を工夫するべき」、「高齢者も若者も観光客も、みんなが楽しめる街をつくろう」、「若い人でも商売をやりたい人は多い。若者に店を任せれば、友人が友人を呼んでくる相乗効果も期待できる」という発表もありました。
 まちづくりに携わっておりますと“まちは生き物”であることを五感で感じます。多くの人が気に掛けてやれば元気になり、その反対であれば病気になります。
 四国経済産業局では、“まちづくり”には、誰でも参加できる、自由に発言できる機会が用意されていることが重要と考えており、今後、まちづくりに関心のある一般の方々を増やしていくためにも、こうした機会を継続的に設けていくことを考えております。
 また、今回参加した作戦会議のメンバーには、これからも、まちづくりに精力的に関わり、将来のリーダーとして活躍されることを期待しております。


お知らせ

イベント情報

情報化フェスタ2004in高松
地方自治体等における情報化推進関係者の参加を得て、政府の最近の動向について説明するとともに全国各地の取り組みなども紹介し、意見交換を行うものです。
開催時期 7月12日(月)13:30~17:30
7月13日(火)9:30~12:10
開催場所 サンポートホール高松(高松市文化芸術ホール)
対象者 関係省庁、自治体、情報化関係団体及び情報化に関心のある一般の方々
参加費用 無料
主 催 経済産業省
共 催 香川県、高松市
詳細はこちらから!


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【発行日】2004年6月25日
【発行】全国商店街振興組合連合会 企画支援部
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