あきんどPLAZA
全国商店街振興組合連合会Vol.09
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「あきんどPLAZAの事務局」です。

桜前線北上中。とってもいい季節になりました。
桜と言えば、お花見、お酒がつきもの。
月見酒、雪見酒などあるものの、やはりにぎやかに花見酒!
ウキウキと気持ちを晴れやかにしてくれますね。

コンテンツ
起街家通信No3 「テーマ商店街への挑戦」 ― 多摩大学教授 望月照彦
安井潤一郎やりたい放題 その2 ― 早稲田商店会 会長 安井潤一郎
商店街HP モデル事例紹介!
― 「若狭街道商店街」、 「駒川ねっと」


起業家通信

テーマ商店街への挑戦

多摩大学教授 望月照彦

この2月の中旬、大分で“全国商店街青年部指導者研修会”が開かれた。
全国から気概に溢れる200人近い青年商業者が集まり、熱気に溢れた講習会が展開された。今、地域を支える商店街の青年層が何を構想し、どう戦略を練り、そしていかに実践するかはそのまま地域の未来のデザインとなる。もし、彼らの頭脳の中に強力な地域と商店街の未来が構想化されていれば、地域には明るい未来が約束される。しかし、彼らに脆弱なイメージしかなければ、地域の未来は弱々しいものとなろう。その意味で、この青年商業者の研修会は日本の未来そのものだと、私は思っている。

かつての明治維新が、各地方に存在していた若き草莽の志士たちによって実現されたと同じように、新たな地域の時代は新たな草莽の志士(若き商業者)たちが、人材として活躍しなければならない。
この研修が大分で開かれた理由の1つは、その商業志士たちの育成機関としての“豊の国商人塾”が20年になんなんとする活動の中から300人の卒塾生を送り出し、彼らが大分の各地で大いに活躍している事実を学ぶことにあった。

研修の1部では、その商人塾の卒塾生を囲んで塾頭の緒方知幸先生、マーケッターの鬼才・谷口正和氏、そして私がコーディネーターでフォーラムが開催された。
中津出身の緒方先生が当時の名知事・平松守彦氏に掛け合って地域の人材育成機関としての豊の国商人塾を立ち上げたのであるが、私にはその心として、大分のキーワードは「一村一品」であるが、本当に大事なのは「一街一人(いっぴん)」ではないのかという緒方先生の想いが強く感じられた。

2部では、3分科会に分かれたが、私は豊後高田のまちづくり仕掛け人、安部谷次郎氏とのシンポが担当となった。いま、豊後高田は<昭和の町>がテーマとなった商店街再生で大いに注目されている。しかし私はまだこの街を見ていなかった。対談をするのに、やはりしっかりと街を見ておくべきだと考えた。
大分市の商店街連合会に無理を言って、事務局長の車で研修会が始まる前の時間にこの街を訪れた。街の中心にある商工会議所で、安部さんが私たちを待っていてくれた。彼の案内で早速、もうすっかり春が訪れた柔らかい陽射しの商店街を巡る。古い建物がそのまま大切に保存されているお茶屋さん、店に入るとすかさず主人がお茶を入れてくれる。“一品一宝”が店活力の戦略コンセプトだという。すなわち各お店が自慢の品と宝物をお客さまにプレゼンするのだ。

静岡市の一店一品運動は有名であるが、ここではお宝も加わる。もう一ひねり知恵を絞っているのだ。お茶屋さんは自慢の美味しい地場産のお茶と昔からの茶箱が宝となっている。餅屋さんがある、薬屋さんが元気な店の構えを誇っている。昔ながらのアイスクリンの店では、ソフトクリームをご馳走になる。昔はすっかり廃れていたであろう店々がそれぞれの工夫で再生への糸口を掴んでいる。その全体のコンセプトが<昭和の町>の新創造である。
創造といっても、昔流行った商店街近代化計画ではなく、いってみれば商店街過去化計画というまったく逆の戦略ではないか。
安部さんはガススタンドを経営しているが、大手の会社を辞めて故郷に帰ってきて、凋落振りに目を覆ったという。進んで商工会議所の青年部運動に参加し、全国の青年部長にもなった。昭和の60年代から平成の始まった頃、まちづくりのヒントを求めて各地を回った。

長浜の黒壁スクエア運動にも大きな刺激をうけた。様々なまちづくりイベントを繰り返したが、逆に町のハードの大切さを考える。
ようやく平成12年にやった街並み実態調査で、商店街が実は貴重な昭和の面影をハード(店の構え)で持っていることを知る。近代化するのではなく、古い街並みに戻す<昭和の町>計画が着手された。
町全体を一つのテーマで貫く「テーマ商店街」への挑戦である。福岡で文化雑貨の店をやっていた小宮裕宣さんがその収集品を全部持って移住し、古い蔵を使った昭和ロマン蔵を開いてくれたことも追い風になった。
観光客など誰一人訪れることも無かった町に昨年30万人がやってきた。
安部さんとの対談は盛り上がった。次の日、大勢の青年商業者が再生のヒントを求めて、昭和の町を訪れたことであろう。


安井潤一郎やりたい放題

【その2】
早稲田商店会

会長 安井潤一郎

前回「その1」を本年1月13日に配信の第6号に書かせていただきました。
「その1」を読まれた日本中の商店街の皆さんから大きな反響が、と思っておりましたがまったく有りませんでした。(笑)

このメールマガジン、誰か読んでるの?
メールマガジンですから嫌でも届いてきますし、嫌なら申し込みはしないんだから読んでるだけで、何のアクションも起こさない、まあ、アクションを起こしたくなるような内容じゃない、と言われるとその後に言葉が続きませんが・・・。
しかし何か一言でもいただくとこちらも「書いて良かった」と思いますし、「うちの商店街ではこんな事をやってるぞ」という事例をお教えいただければ一つ利口になれます。

このメルマガの後ろの方にあります「ご意見、ご感想」のアドレスでも、私のアドレス(yasui@mps.ne.jp)でも結構です、どうぞ御連絡下さい。

本日は現在当商店会が一番の目玉として活動しています「震災対策」についてお伝えいたします。

東京新宿区の一番北側に位置する早稲田のまちには日本でも有数のマンモス大学、早稲田大学の本部キャンパス(西早稲田キャンパス)が在ります。
ここには3万人の学生が学び、そのキャンパスを取り囲むように7つの商店会があります。そしてそこに住んでいる地域住民が2万2千人。ですから私たちの地元「早稲田」では3万人の学生が夏休みでいなくなる夏の2ヶ月間は人口が半分以下、「早稲田の夏枯れ」と言われる状況になります。
その商店会の夏枯れ対策からスタートしたイベント、そのイベントに「環境」という今まで何処の地域でも付けた事のない文言をテーマにして、商店会のメンバー以外の人にも実行委員会に入っていただきイベントをやってみたらビックリ。町中から集めたゴミが重量比で9割再資源化出来ました。マスコミや行政から誉められ、一躍「環境のまち早稲田」になってしまいました。

1998年には恒常的な施設「エコステーション」を行政の補助金ゼロで開設し、翌年1999年には修学旅行が早稲田のまちに視察見学でお見えになりました。
何も無いと思っていた早稲田のまちに修学旅行が来たのですから自分達もビックリしましたが、他所ではもっと驚いたようで次から次に商店街、商工会、商工会議所の皆さんがお見えになりました。

その中に1995年の1月17日に阪神淡路の大震災で壊滅的な被害を受けた神戸長田の商店街の皆さんもいらっしゃいました。震災当時の悲惨な状況を涙をにじませながら語られる商店街のお仲間の言葉に愕然とした記憶が有ります。

商店会活動に参加されるスタッフさんも増えてきました。その一連の経過の中で我々は「環境」は「身の回り」、「まちづくり」は「御近所付き合い」だと学習しました。
自分の身の回りや自分の御近所付き合いを何で役所や他人に任せていたんだ、自分達の町は自分達で守ろうという意識が強く起こり、当然のように震災対策の活動に入って行きました。

「商店街と震災対策」、この取り合わせもあまり聞いた事がない組み合わせでしたがそれ以上に、一連の活動を通じてまちが動くキーワードは「儲かること、楽しいこと」だと学習した我々には今の震災対策、防災の活動にはまちが動くキーワードが欠けていることを感じました。そこから皆さんで考え出したのが、平成14年度防災功労者内閣総理大臣表彰をいただいた「震災疎開パッケージ」です。

5,000円の年会費をお支払いいただいた方のお住まいが震災で災害救助法の認定を受けた地域だったら、日本中の商店街、地域がその方をお客様として一定期間
お迎えする、一年間日本中の会員さんに震災の被害が無く、そして翌年更新していただい方には日本中のお仲間がこだわって使っている品がお手元に届きます、というのがこの疎開パッケージのアイデアのです。

詳細は下記ホームページを御覧下さい。皆さんの地域と連携が取れますことを期待しています。
全国商店街震災対策連絡協議会
今日の商店会長(商店会長の日記と写真コーナー)


商店街HPモデル事例紹介
◆ここが注目◆
トップページを開くと、ズラリと並んだ60店舗あまりの商店による逸品紹介が、いきなり目に飛び込んでくる。
委員会には女性が積極的に参加し、女性の感性が生かされたデザインやコンテンツ作りを目指している。
また、年3回発行しているカタログと連動して、ホームページ上で逸品とオリジナル商品紹介を行う、メディアミックス的手法に注目したい。
運営主体 鳥取市若桜街道商店街振興組合(鳥取市戎町)
逸店参加店 63店
開設時期 平成13年12月5日
URL http://www.chuokai-tottori.or.jp/wakasa21/

■キッカケは一店逸品運動から
郊外大型店進出の波は、ここ鳥取市にも例外なく訪れ、消費者の商店街離れは加速する傾向にあった。
そんな折、平成13年にハード整備を完成させた当商店街では、それで満足することなく、次のソフト面充実のための新事業を模索していた。そこで辿り着いたのが、平成13年度の中小企業活路開拓調査・実現事業を活用した「オリジナル商品開発と一店逸品運動の展開」。
ホームページの構築は県中央会福美秀敏氏(近代化研究会委員)の指導のもとに取り組んだ。

■効果は
1. 開設より現在までのアクセス数は1万件以上。
2. ホームページの更新と同時に、新聞にチラシを折り込んで来たが、地元新聞社に44,400部、読売新聞社に1万部、朝日新聞に8,000部をそれぞれ時差を設けて折り込み、ページ更新を行ったり、チラシを折り込んだ後には、売り上げが上がったという店の声がある。中には、逸品掲載をはじめてから、月の売上が数十万上がったという店舗もあったそうだ。
3. 売上アップは勿論嬉しい効果だが、逸品の掲載に際して、「自店の有力商品」、あるいは強み」の再確認を行うことが出来たのは、個店にとっての大きな収穫。



◆注目ポイント◆
 『地元の店主とお客様の見えるポータルサイト』を標榜し、目的が明確な地元地域の固定客からのアクセスを想定した骨っぽい造りはしっかりした理念の基に組み立てられている。
地域のポータルサイトとしてモデル事例の一つ。
運営主体 駒川商店街振興組合(大阪市東住吉区)
参加店舗数 207店
開設時期 平成14年(2002年)4月
URL http://www.komagawa.net/

■キッカケは
商店街では平成8年頃から制作を請け負う業者からホームページ開設の提案をたびたび受けていたが、「商店街には必要ない」という意見が主流であったが、インターネットの普及とともに、「商店街として、ご近所情報を回覧板感覚で提供しても良いのではないか」という声が聞かれるようになった。
こんな時、タイミングよく関西経済産業局の情報化補助金の提案を大阪市から受け、市内の3か所の商店街がこれに乗った形になってトントン拍子にホームページが実現した。平成14年(2002年)4月のことである。
従来から発行していた「駒川ゲッ報(月報)」(印刷物)をそのまま掲載

■効果は
駒川ネットの特長はリピーターが多いこと。
地域の方々のお役立ちのポータルサイトとしてコンテンツの充実が店主とお客様の距離を近づけている証拠でもある。
地域のポータルサイトの一つのモデルといえそうで学ぶべき点が多い。
(事例は平成15年度商店街近代化研究会取材事例)



各地の情報
■京都の商店街応援歌ができた!
京都商店連盟と宇治市出身の歌手大奈さんが制作した応援歌「ARIVE ROAD(アライブロード)商店街」。
歌で商店街を元気に。各商店街でも配るほか、レコード店でも販売する。
【お問合せ】京都商店連盟 電話 075-221-5915


広場・ひろば・HIROBA
■富山県高岡市から発信!
末広町商店街 川端 博です。
我町では昨年の5月より、まちまちシール(買いもの物語)を始めましたが、毎月第4土曜日は特典日として先着50名前後に満杯台紙(500円金券)1~2冊で品物・金券等に交換していますが、中々良い景品が見つかりませんので、全国でシール事業で交換品で人気がありました品物(イベント)が有りましたらメールマガジンで発信していただけたら、有り難いです。
まちまちシールは買い物金額によってシールを上げる枚数はお店によって、まちまち(バラバラ)ですのが特徴ですので、金融機関もシールを出してくださいと、お願いしていますが、今現在出してくれないのが現状です。
今までに特典日に提供した、品物は満杯台紙1冊で缶ビール(6本)地元の新米(5キロ)高岡産りんご12個。
その他の月はガラガラでの抽選で1等3万円(すえひろうーど商品券)で残念賞でも1千円(商品券)です、その他いろんな交換できる品物は携帯電話のiモード(http://www1.tcnet.ne.jp/kawabata/)で発信しています。
情報お待ちしています!(事務局)
■群馬県沼田市から発信!
最近、昭和30年代がブームになっています。
沼田市の街なかを歩くと、今でも懐かしい建物や看板を目にすることができます。それを商店街の活性化につなげる取り組みにできないか・・・と「昭和モダン懐古博」を開催することになりました。
昭和の時代の懐かしい品々や有形を再現したり、カルメ焼きや揚げパンなどの思い出の味や遊び・・・商店街には当時活躍したちょっと古い物などを展示します。
懐かしくて、あったかい、それでいて若い人には新しい街。ここにくれば、あの頃の思い出と元気を取り戻せる街。そんな街づくりを目指していきたいと思います。
ぜひ、「昭和モダン懐古博」にお出かけください。
昭和モダン懐古博実行委員会→http://www.kannet.ne.jp/tengu/retro/retrotop1.htm
ホームページもなかなか!!(事務局)


お知らせ

消費税の総額表示について(改訂版)経済産業省
http://www.chusho.meti.go.jp/zeisei/shouhizei/040312shouhizei_sogaku.pdf

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【発行日】2004年3月26日
【発行】全国商店街振興組合連合会 企画支援部
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