(1)ハード面での対策
  @ 歩車道の分離

 歩行者用道路と車輌用道路の分離は、商店街での安全性の基本条件です。

  • 国土交通省基準の歩車道分離  
    一般的に車道端部から20p立ち上りを持たせる雨水排水ブロックを使用して、 車輌の歩道乗り上げを防ぐ構造としています。
  • 商店街での無段差歩車分離  
    行政指導が前提。両側商店街の一体化策。
  • 歩行者天国  
    物理的に最も安全なことは、危険である車輌を完全にシャットアウトし、自転車、バイク等も手押し規制を行うことです。横道の横断車輌は、交通信号の 点滅で行っています。全蓋アーケード内も営業時間中は車輌交通を禁止、自転 車、バイクは運転禁止としています。
A 街路灯

 街路の明るさが安全性を左右します。

  • 省力化街路灯  
    地上晴天時、低中緯度地帯で1の面積が受ける太陽エネルギーは、約1kw (860kcal)。このエネルギーを太陽電池で電気エネルギーに変換し蓄電、周囲が 暗くなると光検知し、照明灯を自動的に点灯、ICタイマーで10(5)時間後、 自動的に消灯するソーラーライト、更に風力発電機と併用するソーラーウイン ドライトがあり、電力併用型と自然エネルギー活用型の4種類が市販されてい ます。
B バリアフリー

 道路の段差と勾配に配慮します。
 百貨店の屋上や道路の横断面勾配は2%(雨だれ勾配、水勾配といい、自然 に水が流末に流れる)以下の緩勾配が理想です。5%以上の勾配では坂道を感 じ、歩行を避けるようになります。

  • 街路施設を設置するのに必要な歩道の幅員  
    街路施設の歩道上の設置による歩行者用通路余地幅員の確保は、歩行安全性 のみでなく、災害時の諸防災活動の難易に関係します。
C 駐輪対策

商店街では放置自転車が数多くあり、対策としてレンタサイクルシステム、共有自転車、コミュニティサイクルなどがあります。

D アーケードと融雪装置
 多雨地域や多雪地帯ではアーケードの設置により、全天候型商店街が形成さ れ、来街性を高める魅力となっており、多雪地帯では、融雪装置は不可欠です。
E 融雪装置

 道路防雪手法には、機械除雪、流雪溝、消雪パイプ(地下水利用)、融雪装置 及びロードヒーティングの5種類があります。

  1. ロードヒーティング  路面が乾き理想的な歩道環境となります。
  2. 地下水による消雪パイプ  路面に散水し消雪します。歩車兼用道路では散水を止め、流雪溝に変えるこ ともあります。
  3. 流雪溝  1/1,000以上の水流勾配が採れる街に設置します。
  4. 機械除雪  幅150cm以上の堆雪帯が必要です。 e.融雪  地下水量が冬季比較的安定している商店街に利用されます。
  F 防犯・監視カメラ
  犯罪の抑止効果だけでなく、犯罪者を特定できる有力な武器となります。<
 
3.安全な商店街づくりへの課題
 (1)安全な商店街に向けての課題
  @安全な商店街の必要性の認識
   安全な商店街の実現は、毎日、多くの来街者、利用者を迎える商店街組織の 社会的な義務であることを、商店街の構成員全員が共通認識することが必要で す。
 商店街は、まずは安全でなくてはならず、さらには、より快適な環境の実現 が求められます。しかし、実態は、環境が劣悪であり、周りに“危険”がいっ ぱいの商店街が少なくありません。
 歩道がなく、歩行者の脇を車がすりぬけたり、老朽化したアーケードが撤去 されずにそのまま放置され、歩行者が落下の危険性にさらされるなどです。
 安全性の確保は少なくとも直接販売の増進や販売促進につながるものではな いため、ともすれば軽視されがちです。
 地域の諸事情に加え、商店街組織のまとまりの悪さと負担費用の削減のため、 最低限の安全性すら確保されていない商店街が目立っています。構成員にもそ の実態と問題点が十分に認識されていない中で、「安全な商店街」の必要性の認 識は必須です。
  A組合員のコミュニケーション強化
   組合員のコミュニケーションが密であればあるほど、「犯罪系」の危険性は大 きく排除されます。また、「事故系」の危険性も、認識と対応がより機敏になり、 効果的な対応ができます。
 商店街の中から商業者の「住」が移転をし、商売上のコミュニケーションが あっても、生活面での交流が希薄になりつつあります。また、「企業的」、「生業 的」、「副業的」経営に分化する中で、商店街における結束と組合員間のコミュ ニケーションは低下しつつあります。
 また、組合活動の不活発さもあり、危険性の抑止効果が薄らいでいます。
  A地域との連携
   商業活動をしながらの安全性の確保には限界があります。商店街活動の人手 が、費用負担とともに問題になっている中で、商店街単独では限界があります。
 商店街の安全性の確保については、商店街が先導することは当然です。しか し、NPOや住民団体、地域団体等との連携と支援を受けながら、様々な対策、活動が求められます。  
  B商店街としての限界
   商店街自ら、また、地域と連携しながら、さらには専門機関に委託しながら 街の安全性の確保に対応することになります。予防、事故、事件に対応するに は、プライバシーの問題があり、私人としての商店街の権限の限界があります。 過度に対応すると事件に巻き込まれたり、逆に危害を受けることが懸念されま す。
 商店街としての対応は、これらの限界をふまえたものでなければならず、特 に「犯罪系」については、警察との役割分担が必要となります。  
  C商店街安全性確保のための支援策
   事件、事故等の各種の危険性に対する防止策として、商店街において求めら れる対策は多いのです。
 商店街において、快適性の向上や美化、装飾のための支援策は数多くありま すが、より基礎的、基本的な対応である“安全対策”に対する支援策はあまり ありません。例えば、組合員が激減するなどして、資金的に見通しが立たず、老 朽化したアーケードを放置している商店街が少なくありません。
 改築やオープンモール整備に対しては各種の支援策はありますが、危険なアーケードの撤去に対するものは殆どなく、苦慮している商店街は少なくありませ ん。
 商店街の危険を抑止、防止し安全性を高める支援策が望まれます。